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2023-03-30

グリッドマン ユニバース』を観た。

シンエヴァあくま現実を主軸として虚構も悪くないよね、というスタンス作品だったと思う。対して本作は同じメタフィクションでも、現実を生きるアカネちゃんの姿も写しつつあくまフィクションをそのものを優しく、熱く肯定してくれる作品だった。落書きグリッドマンが新フォームになるのは意志の槍ガイウスみたいなだなって思った。

冒頭の前置きのシークエンスで、虚構世界にも日常はあり、グリッドマンと共に戦った後に帰る大切な場所なんだろうと思った。

怪獣出現と新世中学生との再開が割とすぐで、話が早い作品だと思った。ダイゼノンメンバーの出し方も良かった。

文化祭の準備の辺りから劇中劇についての話でメタフィクションとしての主題提示され始める。設定盛り過ぎじゃない?リアルじゃないよ、とか。六花は人間ドラマ大事にしたいけど周りからは反対されたり、内海アクション大事だろ、とかの話もまさに自己言及

結局台本は書き直されてアカネちゃんが消される話とかも、この作品自体への言及になっている。

ガウマが姫と再開したり、嬉しい要素ではあるけど、ん?と思うような展開に視聴者違和感を抱く頃、裕太もそれに気が付く。フィクションなんてキャラが多いほど良い。カオスで良いんだよ。だけどなにかヘン。

そこでアレクシスが現れてから物語が展開して加速的に面白くなった。シリアスさは演出しつつ、コミカルさも残すシュールさが良かった。BLEACH月島さんのアレを思い出してちょっと面白かった。おちゃらけて飄々としたキャラが立っているのは終始一貫していて良かった。

その後の裕太の混乱から怪獣出現、別次元キャラ消失するシークエンスアンチくんとグリッドマンのアノシラスが現れた時の安心感といったらね。その辺りのキャラちゃんと拾ってくれるのかと思った。

アカネちゃんに作られた世界キャラクターに過ぎない事実を受け入れられるのか、という蓬の言葉は、グリッドマンから続く虚構の是非の話だ。アノシラスの国家とかだってフィクションじゃん、でもそれは別に悪い事じゃないよね、というのはナラティブから離れたマジレスだな……と思った。この辺りからメタフィクションとしての主題がかなりはっきりと提示された気がする。グリッドマン実体を持たず、人間が云々という辺りも劇中の射程を超えたフィクションのものへの言及なんだろう。何度か観てもっと咀嚼したい。

グリッドマン自身宇宙になって云々、というくだりはほぼ理解できなかったし、まあ初見理解させる気もないんだろうと思った。とんでもない存在と化したグリッドマンと一体化すれば解決するけど、裕太の自我も失われてしまう、という点を押さえればまあヨシと思った。

妙に棒なバイクの兄ちゃんプール監視員の人?何故……?と思ったが、調べたら電光超人絡みのファンサービスらしい。

アクセスフラッシュ後の暗転から、オープニングの実写の人間の目の意味が明かされる。現実に帰ったアカネちゃんが、箱庭の中のキャラクターを友達として助けるというのが良かった。真っ当に生きていたんやな。

グリッドマンが裕太の日常を奪ってしまった事に謝罪するけれど、楽しかったよと肯定するのがとても良かった。

アレクシスドミネーションして敵を探す辺りからもゴチャゴチャしていて、あまり細かく理解させる気はないなと思った。ラスボス怪獣現実存在サムシングメタファーと受け取ったが、より具体的な事はまたじっくり考えたい。

なんやかんやでインパーフェクトユニオンが流れて色んな合体を見せる所で同窓会映画お祭り映画としては既に満点を叩き出していた。TV版ではちょっとユニオン使いすぎじゃね?と思っていたが、2時間映画で満を持して流れた日にはもうね。劇場に来て良かったと思わせてくれるには十分の迫力あるシーンだった。

アカネちゃん魔法少女シーンや巨女化する二代目

こちらがちょっと気恥ずかしかった。立花の太ももあんまりフィーチャーされないんだなと思っていたが、アカネちゃんデカパイ露骨だった。

トリガーらしいノリと勢いで大団円を迎えて、お祭り映画に終止しない良い映画だったなあ……と思った。

ラストは二人がくっついて百合オタクは不満だったかもしれないが、直前にダイゼノンを履修してヘテロの口になっていたので私は大満足だった。ダイゼノンテーマであった、過去清算した未来に進むという事もしっかり拾われている。

六花が劇で自分の伝えたかった人間ドラマが届いたかは分からないけど、楽しめてもらえたなら良かったと言う所もこの作品を優しく包み込んでくれた。

ガウマの姫の出会いと別れはカオス引き起こしアクシデントだったけれど、 彼らが交わした会話は紛れもなく本当にあったもので、だからこそ彼も過去をすっきりと清算して、新しく得た居場所で前に進めるんだと思った。

お祭り映画としてだけでも、こちらが欲しているものを存分に与えてくれた。怪獣優生思想の人らは出なかったが、あくまグリッドマンユニバースだし、彼らは過去に囚われた過去の人達なのでまあ……と思ったら二回目に観たら一瞬だけ文化祭を楽しむワンカットが挟まれてた。

そして何より、グリッドマンから続く虚構肯定ダイゼノンから未来を勝ち取るという主題について優しく、熱く、力強く語りかけてけれた作品だった。

 
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