「あのバンドマンと付き合うにはどうしたいい?」
人類永遠のテーマであり、きっと街角のライブハウスにはこんなエフェクターボードみたいな重ったい悩みを抱えた、ボロボロのおんなのこが立っています。
しがない地方都市でしがないバンドマンを追いかけるしがないOLです。
学生の頃からバンドマンを追いかけ全国へ、就職してからも対象は変われどライブは全通し、かけられるお金が増えこれ幸いと差し入れをしまくっています。
お陰様ですっかりバンドマンとも近い距離に居られるようになり、たくさんの話をしてきました。
わたしはどちらかというと好きなバンドマンと肩を組んで飲みに行きたい!という欲求が強い方で、付き合うというよりは仲の良いおともだちになりたい派でした。(ここに関しては賛否両論あるかと思いますが、わたしの話は楽屋の端っこにでも置いておきましょう)
とはいえ、ライブハウスにはやはり恋をしているおんなのこが多い。身近な友人たちは揃ってなんやかんやと裏アカで、小競り合ったり意味深なことを呟いてみたり。
彼女たちをみていると、バンドマンが話してくれた恋愛について想起せざるを得なくなってしまうので、この場を借りてご紹介したいと思います。
まずおひとり。彼はゴリゴリのベースボーカルで、作詞作曲を担う、名前を田淵くんとしましょう。そんなタブチくんは学校で出会った可愛い女の子に恋をしました。彼は言いました、
どうもその彼女は、バンドなんか興味がなく、ライブなんかほぼ観に来たこともないそうです。
タブチくんはわりとモテるので、ファンの子や同業者からもアプローチは受けまくっている(しかし誰とも親しくなってはいない)んですが、そんな彼のハートのオリオンをなぞったのは、ライブハウスの外のヒロインでした。
もうお一方。見る者全員がイケメンと口を揃えて言ってしまう、高身長帰国子女系、川上くん。ちなみにカワカミくんはギタリストです。彼にはCanCamから出てきたような、細くてキレイでライブハウスには来ない人種と思しき彼女がいました。彼は言いました、
「バンドを通して知り合う人と、付き合おうとは思えない。」と。
なんでも昔、ファンの子に交際を申し込んだところ、ステージと普段がちがいすぎるという理由でフラレたとか。なんたるぺいん。
こうなってくると、われわれファンというものは未来永劫救われないのではないかと錯覚してしまいますね。
しかし世の中には、それでもバンドマンと真剣交際をしている人間がいます。(もちろんズルズルの関係で腐敗しきっている界隈も少なくないですが)
次はそんな子たちの生き方をご紹介して、少しでも枕を濡らすファンの女の子が減ることを祈ります。ちなみにわたしが10年来ライブハウスに通い詰めた、独自のサンプルですので悪しからず。
①1人で来ている
ライブハウスでお友達をつくること、それ即ちデートに家族が付いてきていることと同義です。バンドマンの立場になれば、やりづらいことこの上ないでしょう。この子に何か言ったら周りのファンにも筒抜けになってしまう、そんな意識が根付いてしまうと、付き合うどころか打ち解けることもままならないかもしれないですね。
言い換えれば、逆も然りです。一対一の関係性を築ければこっちのもんです。わたしの友人は、ふらっと1人でやってきては、物販のスキを狙って話しかける。喫煙所に行ったスキをみて、そそくさと追いかける。そうしていつの間にかLINEを交換していて、いつの間にか飲みに行っています。あな恐ろしや。
②超絶かわいい
待ってください、読み飛ばしたくなる気持ちは1000%わかります。しかしこればっかりはどうしようもないです。昔大勢でバンギャの会を仕切っていた頃、ライブ後に、小動物のように小さくて可愛らしい子にだけ、メンバーからDMが届いたことがありました。ヨノナカカオかよ、滅べよ。
③チャンスを逃さない
友人に、追いかけていたバンドマンとめでたくお付き合いをした人間がいます。彼女はライブに足繁く通い、ある日ライブ中に彼を撮った写真をSNSで使いたいと、DMで連絡したそうです。すると「ずっと応援してくれていてありがとう、気になっていた子から連絡をもらえてうれしい」と返答が来て、そのままエンダァァアです。そんな起死回生ストーリーあるんすね。
書いていて気付きましたけど、どれも真似するにはあまりに高度ですね。
某音楽番組出演で話題のバンドマンさんも、大学のころからずっと付き合っている彼女は一度もライブを観に来たこともないそうですし。
我らはいっぺん死んで生まれ変わってバンドマンと同じクラスに転生しないといけないんですかね。
タブチくん、カワカミくん、共に共通していたのは「バンドの外に価値を見出していること」でした。対して我が友人たちは、「バンドを通して遭遇した人もひっくるめて出会いだ」という考えのバンドマンと上手くいっている。
つまりはそういう人物か見極めができる人、またはそんなバンドマンに運良く出会う人、というのが、バンドマンの彼女ポジションをゲットしているのではないでしょうか。
バンドマンを1つの人種であると、ひと括りにできないことは重々承知でありますが。
ライブハウスという狭い世界の中で、優劣を付けられながらも必死に歌う姿に恋をする。それもきっと世の理。
わたしは今日も、「あのバンドマンと付き合いたい」という相談に、「まずはライブハウスで抜きん出て見えるように、めっちゃコンサバな格好してみたら?」と、ツアーグッズにまみれた彼女たちに言い放つのです。なんと無力な。
この世の地獄か
何で地方都市OLの文体って痛々しいんだろう
きもい ただただきもい
おともだち おんなのこ
こんなつまらなそうな女と肩組んで飲めるおともだちになりたいやつなんかいねーだろ 九割九分ブスだろうし…