2015-05-19

http://anond.hatelabo.jp/20150518152323

元増田出身校の体制がどうなっているかは判らないけれど、小学校の移動教室は何校かで体験したので、参考までに書きたいと思う。

 

移動教室修学旅行で、先生たちが酒盛りをしているというのは昔のイメージだったりする。消灯後も忙しいのだ。

小学校場合、消灯は21時頃であることが多いと思うが、教員はその後フリーになるわけではない。

まず、消灯直前までに、寝る前の服薬が必要な子に頓服済みか確認する。夜尿癖のある子を、トイレに行かせる。

消灯後は、大多数が寝静まるまでは廊下に居り、男子女子の部屋に忍び込むのを邪魔したりする(悪く思わないでほしい。現に「15歳の母」のような事案は存在するのだ。避妊具でも発見した日には厳戒態勢である。「避妊するだけマシ」という論理性は危機管理には通用しないし、「小学生から」と甘く見ると大やけどをすることを教員は痛いほど分かっている)。

それと平行して、風呂を済ませる教員もいる。宿の風呂が深夜まで使えるならば良いのだが、23時までだったりすると、主任先生風呂を諦めることもある。部屋にシャワーがあれば最高である。また、イベント担当などの小規模な打ち合わせを行ったりする。

その後、22時~23時あたりで、一度、全体ミーティングを行う。20~30分ほどのことが多かったように思う。実踏で確認はしていても、いざ児童を引率すると、思わぬ問題が発生したりする。見学先やバス移動時のサービスエリア鉄道利用時の駅などで、居合わせたお客さんから苦情を頂くこともある。その場合は翌日に同じことが起きないよう検討しておく。また、翌日の注意点も共有し合う。タイトスケジュールだったり、自由行動やオリエンテーリング等で迷子になりやす場所確認したりする。

 

ミーティングが終了したら「おやすみなさい」

……とはならない。

23時半~0時を目途に、夜尿の心配のある子を起こしてトイレに行かせたり、喘息発作の起きやすい子の様子をみたりする。体調不良の子が居れば、その子の様子も確認する(これは基本的には養護教諭マターだったりするけれど、担任も度々様子を見に行くだろう。性悪説で考えても、子供の信頼を得られなければ、仕事がしにくくなるのは目に見えている。ここで手を抜くのは損である)。

そして、自分のための支度をして、仮眠となる。そう、たいていは仮眠なのだ。不寝番の時間が来るまでの。

もし幸運にも不寝番をせずに済んだとしても、6時には児童が起床するので、その前に起きなければならない。寝れて5時間強だろう。帰りの電車バス教員が寝ていても、そっとしておいてあげて欲しい。移動教室修学旅行は、何より睡眠不足との戦いなのだ

なお、場合によっては2時ごろにも夜尿の心配のある子を起こしたり、喘息の子に吸入させたりする。この場合担任でなく、不寝番の教員が代行する事も多い。

 

世間の目が厳しい平成20年代にもなって酒盛りをする文化が残っている学校は少なくなっているのではないだろうか。校長カップラーメン位は差し入れをしてくれているかもしれないが、酒盛りをする勇気も元気も無いように思う(ただ、小学校教諭は体力自慢も多いので元気な教員は居るかもしれない)。中高の部活遠征で、保護者も同伴するような場合勝手が違う可能性もある。

 

わたしの経験から話せるのはこの位である

「夜中すぎ」が何時かは判らないが、全体ミーティングに重なっていれば、そのミーティングを行う部屋によっては、教員認知できなかった可能性はある。

なお、ミーティングの内容は、円滑なスケジュール遂行の為の確認と、トラブルの未然防止がメインである事故喧嘩が起きるのが、教員は何よりも怖い。仮に、教員責任感や正義感を持ち合わせていないとしても、であるトラブルが起きれば、教員は眠れないし、修学旅行後も後々まで尾を引く問題になる。児童が怪我をすれば最悪の場合刑法犯、業務上過失致死傷に問われるのだ。正義感の無い教員が居るかどうかはここでは論じないが、正義感が無い教員が居ると仮定しても、DQNの襲撃や火遊びによる失火などは最大のリスクの1つであり、放置するのは教員集団の行動原理としてはあり得ない(個々としては不合理な判断をする者も居るだろうが、複数教員がそのような不合理な判断をするとは思えない)。

 

 

結論を言おう。

元増田の件では、教員酔っぱらい認知していなかったか認知はしたが対策をしつつ事を荒立てない選択をしたと考えるのが自然である

前述したように、ミーティングと重なった場合ミーティング場所によっては教員酔っぱらい認知していなかった可能性がある。

もしその状況を教員認知したら、教員自身リスクを考えても、必ず何らかの行動を起こしているはずである

認知していたとすると、たとえば、直接対峙せずフロントに連絡したり、児童に危害が起きないように注意深く見守るなどの対策をしていたことが考えられる。また、教員がおだかやに「お願い」を申し出て、酔っぱらいが素直に聞き入れてくれた可能性もある。

 

元増田証言にあるように朝にスルーしたのは、「児童も寝ている時間であり、気付いてないだろうから、わざわざ言って不安にさせるのはよくない」という教育判断が働いたのではないだろうか。まさに「寝た子を起こすな」の理論であるが、教員が、児童は寝ていたはずと思っていたのなら、ストーリーとしてあり得るのではないか。小学生は案外早く寝落ちするものである、という経験則教員にはある。

実際は増田らが起きていたわけで、教員が本当にこのような判断をしていたのなら、これは結果論ながら教員サイドの判断ミスと言えるだろう。

 

教員サイドのポジショントークに見えるかもしれない。しかし、失火の可能性すらある状態を認知したら、怖いから放置するという判断はできない。むしろ放置のほうが怖い。いかなごを校庭で焼くという明らかにネタの予告でさえ、万が一を考えて職員会議と警備強化を行うのだ。放置するのは不合理である

長文・乱文だが、この文章が何らかの一助になれば幸いである。

記事への反応 -
  • チラ裏話なんで暇な人だけ読んで 小学校の時修学旅行で有名な古都観光地に行った その時ホテルはうちらの学校だけの貸し切りじゃなく、一般客も何組か泊まっているらしく先生たちか...

    • 元増田の出身校の体制がどうなっているかは判らないけれど、小学校の移動教室は何校かで体験したので、参考までに書きたいと思う。   移動教室や修学旅行で、先生たちが酒盛りを...

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