はてなキーワード: 大木凡人とは
CD買うのいつぶりだろう。記憶が曖昧なんだけど、ポルノグラフィティの『瞳の奥をのぞかせて』以来なんじゃないかなぁたぶん。
もともと特別音楽を聴きまくりな青春を送った方ではないので、大層なことは言えない。ただどういうところが好きというのを表明するのみである。
アニメ『どろろ』のEDテーマの『さよならごっこ』がめっちゃ好きである。どういうとこが好きかというと、まず歌詞がいい。
メロディーというかリズムというかがラップ的な何かっぽいような、今時って感じの曲なのに、なんかしっとりと心地よく韻を踏んでて、昔の歌謡曲のようなわびさびなのである。日本語の美しさを大いに引き出しているというか、とにかくグッド。泣ける。
”望みなんてあったでしょうか、この行き先には”
なんて問いかけて来るところが昭和の歌謡曲みたいでムーディー。
これは、大木凡人とかが七五調で長々としゃべくった後に「それではお聴き下さい、amazarashiで『さよならごっこ
』……」と情感たっぷりに紹介してしまうやつだ。この感情は郷愁ってやつだろうか。
私自身は昭和の終わりくらいの生まれなので、そんなに昭和の歌謡曲とか知ってはいないんだけど、なんか!なんかあんな感じの雰囲気あるよな!と、『さよならごっこ』を聴いて三度目くらいの時に私は急に思って、ガタッと立ち上がったのである。
でも古臭いという感じはしなくて、とにかく歌詞がささくれたメンタルに優しく染み入るのである。
歌詞の内容はというと、どろろから見た百鬼丸を歌ったものらしいのだが、本当にアニメ『どろろ』のどろろだって感じがして、二次創作の最強の奴だと、震え上がってしまう。神だ!ここに神がいた!この歌詞書いた人天才を軽く超えている!!
そして、どろろ目線という極めて狭い範囲を表現した詞でありながら、現在を生きる人々のというか私達のというか私の気分にぴったりと寄り添ってくれるところが、すごい。
そうなんだよ。私達に希望なんかないし、未来なんか夢見ない方がいいんだよ。でも!夢見てしまうんだよね!そういう時もあるんだよね!でも私達既にオワコンなんだけどね!
という、気分。悲しい本当に悲しい。それを傷を舐め合うでもなく優しく歌ってくれるのだ。偽りなしに。
でもってまた曲もいいのである。前述のようになんかラップ的な何か?よくわからないけど、新しげなリズムでありながら、なんかこれ知ってる、胸がきゅんとなるというかシュンとなるというか、思わず黄昏泣きしたくなるやつ。
その答えはうちの子供達が出してくれた。子供らは『さよならごっこ』を歌いながら、手を繋ぎあって、繋ぎ合った手をリズムに合わせて振りながら、同時に両足の重心を爪先から踵へ傾ける、という動作をしていた。幼稚園の発表会で歌を歌う時によくやる動作だ。
「さよならごっこはなれたもんさ、でも手を振ったら泣いちゃった」
と歌いながら、子供達の足はみし、みし、と一定のテンポで畳を軋ませる。そのテンポはあれにすごく似てる!あれだ、親や祖父母などが幼い子供を寝かしつける時にやりがちな、布団の上からポンポン。まさしくあのリズム感ではないか。
そんなん泣くに決まってるわ。
私子供の頃に戻って、ばあちゃんに子守唄に『さよならごっこ』を歌ってもらいながら布団ポンポンされたいわ。そして、「ばあちゃんもいつか死んじゃうんでしょ?そんなのいやだー」とかメソメソしながらいつの間にか眠りにつきたいわ。
とかそんな事を思ったので、CDを買う。Amazonで予約した。
私ゃてっきり、今の世では普通皆歌はLISMO的な何かでダウンロードして聴いているものとばかり思っていたので、CDというものがまだ絶滅していないと知って、驚いてしまった。
最初はやっぱりLISMO的ななにかでダウンロードしてスマホで一人で聴きまくって楽しもうと思っていたが、すごくいい歌だし子供達も気に入っているので、子供達が好きな時に勝手に出して聴けるようにCDを買うことにした。
CDラジカセも、買わないといけないんだけれども。CDラジカセがまだ絶滅していないのは、この間近所のホムセンで見たので知っている。
ちょっとした出費だけど、子供達は『さよならごっこ』の他にも、私が隠し持ってた坂本真綾のCDの数々を聴きたがっているので、丁度いい。