第二章 「貧富を問わずに人才を作るは、前金を払うて後の苦労の種子を買うもの」
――貧民には最低の教育しかいらない 35
「銭あり才あるものは上等の学校に入るべし」
――福沢は選別教育の必要を強調する 36
「最も恐るべきは貧にして知ある者」
─福沢は貧知者を生まない教育を模索する 40
「教育の過度を防ぐは、財産の安寧を維持するの一法」
─貧知者が生まれぬよう授業料を高くせよ 42
「もっぱら富豪の子弟を教うるの門を開かしむるこそ知者の事」
─貧知者が生まれぬよう官立学校を廃せよ 44
「年齢の制限は児童を遊惰に導いて悪風に染めしむる」
─子どもの遊びの権利も福沢の眼中にはない 48
「断じて政事に関するを得せしめず」
─文部省からの独立にも限度がある 50
「学問のすヽめ」の放棄
─士族の遺伝子を残すためには選別教育こそ必要 58
「報国致死はわが社中の精神」
─慶応義塾の建学の精神 61
「ただ普通の教育・知見のみ、高尚なる学育は第二のこと」
─女子に高等教育はいらない 67
インパクト出版会 / 天は人の下に人を造る 「福沢諭吉神話」を超えて
第七章 「男女を同権にするがごときは衝突の媒介」
――女の領域は家、その美徳は優美さ 215
「さしむき自力をもって殖産に従事せんとするも難きこと」
─労働権を軽視する福沢女性論は男女平等論とは無縁である」216
「男女を同権にするがごとき平均論は衝突の媒介」
─良妻賢母主義の原形 219
「裁縫の嗜みなき者は女子にして女子にあらず」
─家事・育児は女の天職 221
「新家族の苗字に中間一種の新苗字を創造して至当ならん」
─偕老同穴論が前提されている 226
「夫婦間の権利については、条文の規定一点の疑いを容るるところなく」
─福沢は「明治民法」に全面的な賛意を示す 229
「家会を開設し、婦人女子に家政参与の権を与えたき」
─女に参政権はいらない 232
「無遠慮なるべからず、差し出がましく生意気なるべからず」
─「女徳」へのこだわり 234
「内実は不品行を犯すとも、これを秘密にして世間の耳目に隠すべし」
─ 239
「娼妓に依頼して社会の安寧を保つの外あるべからず」
─良家の娘を守るために公娼制は不可欠 242
「内地においてさえ娼婦の必要は何人も認むるところ」
─娼婦の出稼ぎは人民の移住に伴うべきもの 247
「人間以外の醜物」、「人類の最下等にして人間社会以外の業」
─薄幸な貧しい女性をそこまで指弾するか?! 251
天は人の下に人を造る