2024-08-22

米国株本一覧2

たり@talisman1975:「2011年ドル米国株で儲けなさい:中丸友一郎 支店長にもらった本。浅井隆みたいなのかと思ってたけど、ものすごく説得力がある。ギリシャ問題財政赤字ではなく経常収支赤字が原因とか、斜め読みだとちょっと難しいけど、なかなか面白かった。85点。」(2010年9月9日

この頃は米国株本が浅井隆みたいなものとして捉えられることもあったようである米国株ITバブル崩壊から十年くらい停滞していたわけであり、これだけ停滞した以上、この先も停滞していくだろうと考えるのが普通であろうから、そこを覆すには、陰謀論と同じくらいの大胆さが必要なのだろうか。米国株は伸びるときは伸びるものの、停滞している時期もけっこうあるので、注意は必要である

アメリカ株 長期投資入門」(2010年)のサブタイトルは「2022年NYダウは4万ドルへ上昇する」であるが、ダウが4万ドルに到達したのは2024年5月17日であり、2年ずれただけである

リーマンショックから立ち直るために金融緩和が行われ、2010年代後半になると米国株の上昇は誰の目にも明らかになり、ちらほらと米国株本が出るようになる。バフェット太郎やたぱぞうによる本が何冊か出ている。

しかし、米国株本が書店の棚を占拠するくらいに出るのは、やはりコロナショック後に米国株が急上昇したこときっかけであろう。これも金融緩和によるものである2020年は5冊と片手で数えられるくらいであったが、2021年17冊、2022年は13冊と爆発的に出ている。書き手ネットインフルエンサーが多い。新しい傾向であるインフルエンサーを集めてムックが作られたりもしている。例えば、エル、とも、配当くん、はちどう、もみあげ、NUK、PANによる「ど素人でも稼げる! まんがと図解で超カンタン 1億円をつくる米国株投資」(2021年)というムックがある。

2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻が始まりアメリカ株も落ちたのであるが、出版が予定されていたものはそのまま出たのだろう。2022年米国株本の衰えは見られない。しかし、2023年は5冊、2024年は4冊しか出ていない(8月20日現在)。2024年は新NISAが始まり投資熱のようなものはあるはずであるが、新NISA本はたくさん出ているものの、米国株に特化したものは少ないようである(岸泰裕「新NISAではじめる 米国株投資」があるくらい)。

突出して変な本は、風丸米国株「レバナス投資 月1万円の積み立てから狙う“悪魔的リターン”」(2022年10月28日)だろうか。それまでの米株本はあたりさわりのないものしかなかった。出版社としては恨みを買いたくもないこともあり、それはそれで当然のことなのだろう。しかし、レバナスというハイリスクハイリターンの金融商品を積み立てることを謳った本が、大手出版であるKADOKAWAから出てしまった。レバレッジが効いているものは底で買って天井で売るのを狙うものではないのかと思うのであるが。

レバナスは儲かったのだろうか。例えば、iFreeレバレッジ NASDAQ100の基準価格は21年8月19日に34,910円、22年10月27日に18,230円248月19日に40,426円であり、eMAXIS NASDAQ100インデックスは21年8月19日12,066円、22年10月27日12,325円、248月19日に21,470円である。3年持つのならレバレッジなしの方がいいが、本の発売日に買っていれば(前日の価格しかからなかったが)、レバレッジありの方がよかったようである。なお、iFreeレバレッジ NASDAQ100は為替ヘッジありであるが、為替ヘッジなしでも大勢は変わらない。

これから米国株本は出てくるのだろうからタイトルくらいはウオッチしていきたい(これまでもタイトルしか追っていないが)。

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