2024-07-23

リンダにおける確率論の誤解

https://blog.tinect.jp/?p=87082

から引用

まず、次の文章を読んでください。

リンダは三一歳の独身女性外交的でたいへん聡明である。専攻は哲学だった。学生時代には、差別社会正義問題に強い関心を持っていた。また、反核運動に参加したこともある。

では、次の質問に答えてほしい

リンダは銀行員か、それともフェミニスト運動に熱心な銀行員か、どちらだと思います

聡明な人であれば、当然前者を選択するでしょう。

しかし、多くの人は後者選択します。

複数の主要大学学部生を対象実験を行ったところ、八五~九〇%が、確率論理に反して二番目の選択肢を選んだのであるしかも呆れたことに、この連中はとんと恥じる様子がなかった。

あるとき自分クラスで「君たちは、初歩的な論理ルールに反していることに気づかなかったのかね」と怒ってみせたところ、大教室の後ろのほうで、誰かが「それが何か?」と言い放ったものである

確率は説得の材料として、全く役に立たない事がよく分かります



ブコメ解説がならんではいるんですけど、この問題ミスリードについて指摘しているブコメが見つからなかったのでとりあえず指摘しておきますね。

設問「リンダは銀行員か、それともフェミニスト運動に熱心な銀行員か、どちらだと思いますか」

これは、はっきりいうとミスリードを誘う質問になっています

質問の内容を好意的に受け取るとするならば、この場合、当然確率が高いのは前者です。

なぜなら、後者はお互いに共通する条件にさらに新たな条件が加えられているからです。

では次の設問だとしたらどうでしょう

設問「リンダは普通銀行員ですか、それともフェミニスト運動に熱心な銀行員ですか、どちらだと思いますか」

この場合、先程の問題とは異なりただの銀行員からフェミニスト運動に熱心な銀行員」を除外する必要が出てくるので、先ほどとは確率齟齬が生じてくるはずです。

しかし、ここに誤解であり齟齬が生じていることをし指摘できているブコメは残念ながら見受けられませんでした。

数で置き換えてみることにしましょう。

例えばリンダが持つ確率10します。

そのうち、銀行員である確率が8とします。

さらに、銀行員かつフェミニストである確率を6とします。

この場合リンダが銀行員である確率は8ですので、銀行員かつフェミニストである確率6が銀行員である8を超えることはありえません。

まりリンダが「銀行員である確率に対して、リンダが「銀行員かつフェミニストである確率が超えることはありません。

ここで設問を「リンダは普通銀行員ですか、それともフェミニスト運動に熱心な銀行員ですか、どちらだと思いますか」に変えてみるとどうでしょうか。

ここで聞かれているのは、先程のニュアンスとは異なり、リンダが「普通銀行員であるかどうか」という問題に置き換わっています

まり比較すべきは銀行員の中のフェミニストであるかどうかという問題に置き換わっているわけです。

すると、銀行員である確率8のうち、フェミニストである確率が6だとしたら、フェミニストではないただの銀行員である確率は8-6の2でしかありません。

まりこちらの視点で言えば、リンダが「ただの」銀行員である確率は2でしかなく、「フェミニストの」銀行員である確率6のほうが高くなってしまうわけです。

その他の確率である2に対して言及しているブコメはありました。

しかしながら、その部分については設問に触れられてはいませんので、たとえその確率が99であったとして、今回は考える必要はありません。

まとめると、「設問が悪い」に尽きるわけですが、残念ながらその指摘を行えているブコメ発見することはできませんでした。

そういう意味では「1.直感で信じたものを覆すことはほとんどない。」が実証されているということにもなるわけで、とかく人間バイアスは難しいものだということの理解しからないのだなぁと感じた所存でございました。

どちらにしても、「自分が正しい!」と相手理解を示そうともしなかった人は、反省したほうがいいのではないかなと思いました。

  • なんか知らんがリンダは銀行員ってことが作者の中で決まってるぞ そんぐらい読み取ってやれよASD

    • あほか。作者の中で銀行員であるかどうかなんてどうでも良くて、仮に銀行員だった場合の可能性の比較でしかないだろHDMI。

    • そりゃ、銀行員でないという選択肢は与えられてないからな

  • まずこれ本来は「どちらの可能性が高いか (more probable) 」という推測を問う問題なのに それを「どちらだと思いますか」と感想を問う問題に置き換えちゃった時点で意味変わってるんじ...

    • 「どちらの可能性が高いか」についての語弊ではなくて、「どちら」が何を指すかの定義に語弊があるって話やで。 つまり、間違っている相手に対して「確率を理解してない」っていう...

      • 質問が違ってるんだからそれ以前の話だという話

        • 質問が正しく理解されていない以上、語弊が生じている部分も含めてマウント取りに来てみろって話

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