親父は毒親に育てられ、兄と大きく差をつけて扱われた弟だった
親父の父(以下父)は有名企業の役員で裕福な家庭であり、その中で親父の兄(以下兄)は家父長制的な考えから優遇され、高価なものを買い与えられ、暴力行為や不法行為も咎められず、可愛がられて育てられたようだ
一方、親父(以下弟)は学用品もバイトしないと揃わず、兄に暴力を振るわれても助けてもらえず、親父の母(以下母)から直接「[兄]は好きだがお前は嫌い」と言われたそうだ
推測だが、いつも差をつけられて不貞腐れている弟より、何でも思い通りにしてもらえて親に反抗する理由のない兄のほうが可愛く思えたのではないかと思う
兄は当然のごとく性格破綻し、成人後は無駄にプライドの高いニートとなって実家に寄生
弟の方は子供時代の経験から親の愛情に飢えており、なんとか愛してもらおうと成人してから甲斐甲斐しく父母へ奉仕するようになった
出かける際の送迎
別荘や墓の手入れ
このようなことを無償で、かかった金は自腹でやっていた
子供(私)ができたら、子供が祖父母に嫌われそうなことをするたび神経質に叱った
それが長く続いたあと、定年した父が兄への援助を止めて、困窮した兄が父の貯金を勝手に持ち出すという事件が起きた
父母は年金があるものの、稼ぎの割に老後の貯蓄がほとんど残っておらず、使い潰されたら困るため弟に助けを求めた
そして弟は裁判で取り返すことにしたのだが、持ち出された金品を調べる過程で長いこと父母に嘘をつかれていたと気がついた
父母は兄への援助を弟に話しておらず、むしろ兄はもう自立していると嘘を言っていた
弟も援助には気がついていたが、まさか生活全てを賄うほどだと思っていなかった
また、父母は過去に借金して別荘なども売り払うほど困窮した時期があり、その理由を弟には「株の失敗」と説明して返済を手伝わせたが、実際は兄が散財して作った借金を肩代わりしていた
父母は極めて利己的で自分の見栄や利益を優先し平気で嘘をつく人たちなので、都合のいい奴隷が愛想を尽かして離れないよう欺いていたのである
それでも弟は、生活が脅かされている今なら父母が兄を嫌いになって自分が愛されると思って張り切った
残った貯蓄の持ち出しを防ぐため兄を実家へ入れないよう言い、裁判するにあたって兄と連絡も取らないよう頼んだ
ところが裁判の準備を進めていた年末に兄が実家へ来ていたと判明した
裁判の計画を中止して欲しい兄がなんとかなあなあにするため年末の挨拶にかこつけて訪問し、兄が可愛くて仕方ない父母は出前寿司を取って歓待
挨拶に来ていた父の部下だった人が密告してくれた
結局のところ父母が弟にして欲しかったことは金銭援助であり、兄との裁判などしたくないが、すでに老齢で介助が必要になってきており金銭的にも不安な状況で奴隷が逃げると困るから止めることもできなかったということらしい
ここまできてついに弟こと親父は自分が愛されることなど一生ないと気がついた
見栄っ張りの親父が私に「愛されたくて頑張ってたんだと思う」「無理だって分かった」と消沈しながら急に自分語りを始めたから相当なショックだったのだろう
『子供の頃から奉仕の理由に気がついてたし、祖父母の性格的に兄より弟が上になることは絶対ないと知ってた』とはさすがに言えなかった
マジで家父長的なアレは糞 俺は兄側の育てられ方をしたが、幼少時から将来その話の中での弟みたいな奴隷役を期待されててうんざりしてた 俺が将来の夢を語るとき、親から出てくる想...