2023-11-27

年収1000万円を超えた友人が変わってしまった

かれこれ15年来の友人と会うことになった。

前に会ったのはコロナ前で、5年振りくらいになる。

久々に顔を会わせることに心弾ませながら、待ち合わせの居酒屋に向かった。

彼はすぐに分かった。少し輪郭がふっくらしたが、全体的な印象は変わらない。

挨拶もそこそこビール乾杯をした。

ジョッキを傾け、いつぶりだと思い出話に花を咲かせた。

料理が運ばれてくる。なかなか味付けが美味しく、酒が進む。

ほろ酔いになったころ、話題は近況に移った。

彼が結婚したのは知っていた。結婚相手も私と顔見知りである

仲良くやってるのかと尋ねると、堰を切ったように溢れるのは相手への愚痴だった。

浮気を疑われてスマホ勝手に見られた、信じられない、と。

なるほど何か不安にしたのではないかと尋ねると、そういう正論はいらないと返された。

よくよく聞いていくうちに、私の顔はどんどん曇っていった。

彼にはセフレがいて、風俗も通っているらしい。

それは倫理的にどうなんだと聞くと、自分相手浮気公認している。俺も浮気するし、相手もすればよい。と。

相手がそれを了承しているのかと聞くとお茶を濁す

なんなら、先月子供が生まれたばかりだという。

「ここの勘定は持つから今すぐ帰れよ」

という言葉が気づいたら口から出ていた。

妊娠出産と大役を果たした相手浮気する時間なんてないだろうと。アンフェア過ぎるし育児を手伝ったらどうだと。

ムッとした相手

「俺は金を稼ぐ。相手は働いてないんだから家事を任せている。何が悪い

と口調を荒らげた。

そして彼は矢継ぎ早に言葉をつなぐ。

「俺は年収1000万を超えていて、日本労働人口の数%の上位層だ。妻として恩恵をありがたがったり、ねぎらったりして、多少の自由も認めるべきだ」

ほとほと呆れた。呆れたが、諭吉を財布から出してその場を後にするには、付き合いの長さによる情が足を引っ張った。

だが、非常に悲しくなった。

彼の年収が上がったのはこのコロナ禍の期間だ。転職成功して、仕事で成果を出し、出世して、いまのポジションについたらしい。

その努力は素晴らしいし、報われたことが喜ばしい。

しかし、それにあぐらをかいて家庭をおろそかにすることは、到底自分では理解できない感覚だった。

眼の前にいる友人が、まったく別人に見えた。倫理道徳も通じず、年収と女だけが心の拠り所になっている哀れな人。

もともとそういう気質を持っていたのかもしれないし、今の環境年収が彼を狂わせたのかもしれない。

それ以上他所の家庭の事情踏み込むほどの情熱もなく、とはいえ真剣に話を聞く気になれず、その後は適当に相槌をうっていた。

頃合いを見て店を出て駅のホーム解散する。電車に乗り込む彼の背中を見ながら、二度と会うことはないだろうなと思った。

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