2023-07-19

ホームレスを見る時の心

近所にあるスーパーは広くてきれいで品揃えが良い。

仕事帰り、なんか疲れちゃったし今日惣菜と、、頻発してパック寿司でも買っちゃうかと店内をウロついてると、ある男が目に止まった。

年齢は分かりにくいがそれほどおっさんでもなさそう30代後半くらいか

若そうに見えたのもあり、一瞬そういうファッションなのかなと思ってあまり気にせずに買い物を続ける。

レジに並んだ時に自分の前にその男がいた。改めてまじまじと見ると違和感がある。

穿いてるデニムダメージと呼ぶにはあまりにもボロボロすぎて後ろ側はほとんど千切れそう。

上は暑いのにジャンパー羽織っていて、これまたボロボロキャップを被っている。

そのキャップからスチールウールのようになった塊が長く伸びている、それはどうやら固まって伸びた髪の毛のようだった。

レゲエの人とかでああいう感じの髪を巻いて頭に乗せてる人もいるからひょっとしたらファッションの一貫なのかもしれない。

しかし全体的にあまりボロボロ状態で、足元はというとちぎれてしまったサンダルガムテかなにかでぐるぐる巻きにしてるが片方の足は親指が出ちゃってたりする。

さすがにこれはファッションではないだろうという痛ましさもあって、ホームレスの人だろうなと思った。

その人がレジ惣菜パンを一個だけ買っていた。

ボロボロデニムはまだかろうじてポケット機能してるようで、小銭を出して会計をしている。

周辺はなかなかの異臭が漂っている。

自分の番になったので会計をしながら、俺パック寿司買ってるわなと思う。

袋につめる時に少し離れたとこでさっきの男がなにやらモタモタしている。

どこから出てきたのか分からないがボロボロの袋を出してその中にさっき買ったパンを丁寧に入れている。

きれいなスーパー惣菜パンを一個だけ買っている、それほど歳を食ってるようにも見えない男が一人。

こういう時人はなにを思うんだろう。俺の場合、まず思うのは「明日の俺かもな」だ。

俺はとある専門分野で会社員としてそこそこ長くやっていて生活は安定はしてるが、末端ではあるので大した貯金もなければ、歳を取ってから悠々と第二の人生みたいなこともできないと思ってる。

定年時期まで細々とはやっていけるんじゃないかとは淡く誤魔化しつつも、人間なんてほんのちょっとした事で一気に転落してしまうもんだとも思っている。

大学を出たあと若さにまかせて自由人を気取りふらふらしてた時期もあって順風満帆人生ではなかった。金がまったく無い時期バイトで食いつなげてたのも単純に若かったからだけだ。

離婚経験があり、今は一人だ。老後に必要お金を考えたら親族他人になるべく迷惑がかからないように死ぬことが大事だなと思う。

歳を取ってきてどこかに属せずあらた環境でまた仕事をするというのは、すごく大変だろう。

今の会社をなにかで辞めなきゃいけないような事が起きたら、次の仕事を見つけるのはかなり難しくなっていくだろう。

から毎日頑張ってはいる。頑張ってはいるが、なにかのきっかけで自分ホームレスなっちゃうなんてほんとにあっという間に起こり得ると思っている。

周りの人ほどうまく生きていけてるとも思ってない。働くのはあまり楽しいと思っていない。

なければないでそういうものだと受け入れてしまうし野心もない。

から俺みたいな人間ちょっとしたきっかけであっという間に社会からはみ出て転げ落ちる可能性が常にあると思ってる。

からホームレスの人を見ると、明日自分を見るような気がするのだ。

電車通勤してる俺と同じようなおっさん達より、あのホームレスっぽい男のほうがよっぽど自分に近い存在だなと感じる。

毎日頑張って働いてるおっさん達のほうが今でも別世界のように感じるし、ホームレスがウロウロしてる界隈のほうがリアルで身近な世界に感じる。

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