2023-07-15

【超ネタバレ】『君たちはどう生きるか』雑感

とりあえず朝イチで観てきたので走り書き

自分声優の良し悪しなどには詳しくないので、あくまでそれ以外の観点から

主人公の眞人くんが亡母の死を受け入れ、新しい母=新しい生活を受け入れるための、少年成長物語

・眞人くんが異世界に消えた新しい母を探しにいき、更に亡母に別れを告げる、まずはこれが一本の軸としてある。

・大叔父宮崎駿モチーフ

・あの夢のような世界は辛く厳しい現実を忘れるための空想世界(宮崎駿にとってのアニメ)。世界崩壊=大叔父の死。だからこそ世界崩壊により、アニメナイズされた鳥たちは本来の姿に戻る。

・つまり叔父次世代人間自身創作世界を引き継ごうとしている……が、主人公自分なりの方法現実世界と戦うことを選択、これを固辞。これがもう一本の軸。

・この二本の軸に共通するテーマはおおまかに「古い価値観を捨てて、この辛い現実を『どう生きていくか』自分なりに考えていこう!」。

テーマ自体は他のジブリ作品ポニョとか)に比べればわかりやすい方。

しかし、メッセージ性に振りすぎて物語の大筋=考察しなくても楽しめる部分がおろそかになっている印象。

・まず眞人くんと他のキャラクターアオサギとか)の関係性の構築がほとんど描かれていないので、感動シーンで置いてけぼりをくらう。

・眞人くんは基本的に何事にも直接手を下さない。ペリカンの死も、世界破壊も、眞人くん以外の手によって為され、眞人くんは常に俯瞰立場受動的。

・眞人くんの行動や変化が世界に対してなんの影響も及ぼさない、誰の行動も変えない、関係性も変えない。

・変わるのは眞人くんの内面だけ、徹底的に内省的な物語

・唯一眞人くんの行動によって変わったのは新しい母親との関係性のみ。

しかし、現実世界へ帰還してからの眞人くんと母親関係についてほとんど描かれない=眞人くんがこの冒険によってどう成長したかからないため、肩透かしのままエンディングへ。

【いいところ】

・眞人くんのキャラはかなりいいと思う。

・最序盤の「あ、本気なんだな」と感じさせる火事のシーン

ジブリ作品に必ず一人は出てくる多種多彩なババアが全員集合、みたいなとこ。

・矢を作るシーン

・下校中に自分の頭を石で打ち付けるシーン、あそこは少年鬱屈した内面が端的に表されてて素直に感動した。

・塔に入るまでは間違いなく面白かった。

・鯉とガマガエルのシーンなんか最高。

・終盤、眞人くんが大叔父に対して、「それは積み木ではなく、石です」みたいなことを言い返すシーン、あそこはなんかよくわからなかったけど宮崎駿っぽくてかっこよかった。

【ここはどうなのよというところ】

ヒロイン枠が母・母・ババア(若)だけど大丈夫か?

・わたわたが過去ジブリ作品マスコット枠の中で個人的に一番可愛くない。

・なんか変なところでエヴァとか新海誠作品の影響受けてない?

あと、余談だけど父親が亡母の妹を嫁に入れているシーンに対して違和感を覚えた人がいるみたいだけど、当時の時代背景的には割と普通だよ。

以上です

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