「あんな大変そうなことよくやろうと思うね。まあ頑張って」と答えた。
YouTuberというのは大変だ。特に毎日動画を投稿しているタイプのYouTuberは、動画の企画から準備、出演、撮影、編集、投稿、SNSでの宣伝、コメント管理に閲覧数チェック。それを元に次の動画の企画…を、土日はもちろん盆暮れ正月も休まず繰り返している。本当にこの人達はいつ休んでいるのだろうと思う。自由業で自分のペースだから続けられるのかもしれないが…。仕事というより人生そのもの、ライフワークに近いだろう。つい先日も救急車を呼んで搬送されるところを撮影していたYouTuberが批判されていたが、彼らにとって動画撮影は飯の種であるとともに自分の生き様を残す手段であり、「無理な働き方をしているのでいつ倒れるかわからない」という自覚と恐怖も多少あったのかもしれない(たとえそうだとしても、意識がある状態なら自分でタクシーを呼ぶべきだとは思うが)。
子供が動画投稿をしたがるのなら、個人情報を話していないか、顔出しするかどうか親がチェックした上で投稿させたらいいのだろうと思う。半年続く根気があるならいい方だ。その分野で才能があるなら続けたらいいし、動画の撮影、編集を学ぶだけでも意味がある。将来履歴書なんて面倒臭いものは廃止されて「自己PR動画を撮影して提出すること」や「連絡用に就活(仕事)用アカウントを持つのが普通」なんて事になっているかもしれない。何が役に立つかわからない。
ただ、キッズYouTuberだけは気の毒というか、大丈夫だろうかと思う。親が何気なく投稿したホームビデオが伸びたせいでYouTuberにされた彼らの将来は大丈夫だろうか。早くから大金持ち、人気者になれていい人生だろうか。どんな場所でもカメラを向けられて育った彼らのことが気がかりでならない。子役より働いているのではないか? 彼らにプライベートはあるのだろうか…。YouTuberになりたいと言ううちの子供は喜んで彼らの動画を見ているが。YouTube側もキッズYouTuberの動画出演時間などを規制しないのだろうか。編集して20分にしている動画も、撮影には2時間くらいかかっているだろう。動画再生数というのはプラスにはなってもマイナスにはなりえない。動画を投稿すればするほど有利なのだ。どうしても構造上働きすぎ、働かせすぎになりやすいと思う。
おもちゃの宣伝やレジャー施設のPR動画など、動画撮影を心から楽しんでいるならいいのだが…。父親までもが会社を辞め動画投稿が「家業」になってしまい、本当は辞めたいのに辞められない子がいないことを祈るばかりだ。