2020-12-12

結婚できた非モテ独り言

男子校で育った自分にとって、リアル恋愛模様を目にしたのは大学に入ってからであった

それは、告白した瞬間から彼氏彼女という役割を演じるロールプレイングゲームのようであった

女性彼女になった瞬間から妙に依存的になったり自分勝手になったりし、男性彼氏になった瞬間から妙に甲斐甲斐しくなった

それは、種々のイベントステレオタイプにこなすことをチェックポイントにしたオリエンテーリングのようであった

みんな付き合ったら旅行に行き、クリスマスは一緒に過ごし(一緒じゃないと周囲が心配する)、夜になると長電話をする

付き合うまでのプロセスにしてもそう、どこでデートして、どんなものを食べて、どういうシチュエーション告白して、と

そしてほとぼりが冷めたら別れて他人同士になり、近くにいる別の男女ととっかえひっかえ

そんなのが大学生のリアル恋愛だった


恋愛には憧れがあった、というか純粋に異性のパートナーが欲しかった

ただオリエンテーリングで興味のないイベントまで回収しなきゃいけないのかということを面倒に感じ(みんな紋切り型だったからなおさらそう感じた)

ロールプレイングで「彼氏」という役割を演じきれなくなったら捨てられるんじゃないかという不安を感じ、よそ行きの仮面がとれた「彼女」を好きなままでいれる自信もなかった

何よりロールプレイングオリエンテーリングの行きつく先に未来があるのか?積み上げても結局は他人同士に戻るのか?

そんな不安、恐れ、違和感を真っ先に抱いてしまった


今考えるとそう、自分には恋愛なんて向いていなかった

向いてる人は楽しみながらゲームを進め、ゲームの先に未来を見出すのだろう

自分はそうじゃない、それだけ

ただ世間はそう思っちゃくれない

男なら彼女の一人くらいいて当たり前、童貞で成人を迎えたらヤラハタ童貞で30歳を迎えたら魔法使い、そんな悪口が平気でまかり通っていたのだから

そして当時の自分は、うまく恋愛できない自分のことをひどく臆病で、価値がなく、人として欠陥があるのだと思い込んでいた

大学時代はひどい劣等感に苛まれることになった

在学中運よく女性交際することができたが、交際することそのもの目的となってしまい、当然うまくゲームをすすめることができなかった


その後社会人になり、親や周囲には見合い話があったら持ってきてほしいと言うようになったのだが、まともに相手をしてもらえなかった

幸いにしてそのうちに、過度なロールプレイングオリエンテーリング要求しない相手と巡り合い、結婚することができた

結婚した瞬間に浮かんだのは「これで恋愛しなくてもいい」というホッとした感情だった

改めて見合い以外の方法結婚できたのは奇跡的だったと思う



振り返ってみると、最初から自分恋愛たかったのではなく、配偶者が欲しかったんだと思う

もちろんいわゆる恋愛の先に結婚が待っているカップルだっているんだけど、そんな結婚自分には想像がつかない

なぜ恋愛というゲームプレイしないと異性のパートナーが得られないのか

見合いをしたいと言ったら冗談に聞こえるのか?

いつまでそんな漫然としたゲームを続けなきゃいけないのか

ゲームを苦手とする者は劣っているのか

ゲームが苦手なのにプレイせざるを得ず、疲労している者もいるのではないか

じつは出生率の低下も恋愛下手が結婚できなくなったせいじゃないの?


みんな恋愛に毒されているんだよ

そして恋愛できないという事実をもって自己評価を著しく下げてしまった自分もまた恋愛に毒されていた…

そんな風に思うこの頃である

  • 結婚とか人生の墓場だぞ 一生家庭の奴隷になって 公衆トイレでセックス出来ない日々を過ごすとか最悪だろ

    • いうほど公衆トイレでやりたいか? クソ汚ねえぞ

    • イナカモノだな? 最近の都心の公衆トイレはお前んちよりもきれいだぞ

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