世の中は信じられないことが起きる。
ウソだとおもうでしょ? でも本当なんだ。
ワイドショーのネタにはなったけれど、議席がとれるとはだれも信じていなかった。
フワちゃんはあっさり芸能界を引退し、ファッションやメイクを変えずに国会議事堂に初登庁。
政治家としてのイデオロギーは微塵もないが、元来の地頭のよさを発揮しスジの通ったことを言う。
国会議員の重鎮を呼び捨てにし、派閥に無関心を貫く姿勢で、高齢層のファンも獲得した。
一般のニュースとワイドショーの両方で映ったのが効果的だったのか、フワちゃん人気が沸騰する。
とうとう首相まで辞任することになった。
人気絶頂のフワちゃんの神輿をかつぎ、派閥をこえて推薦人が集まる。
自民党の論理としてありえないはずが、大量の造反がでて当選してしまう。
フワ新総裁は、しがらみがまったくない。
皇居にヘソ出しで行くとは不敬だの何だの大盛り上がり。
この頃には、もう右も左も大騒ぎ。
唯一ある対立軸は「親フワ」対「反フワ」だ。
さて、大幅に若返り女性の多い閣僚の集合写真が新しい風を巻き起こした。
多くの国民が、ここに新鮮な何かを感じ、世の中がよくなりそうだと根拠のない期待をいだいたのだ。
ことあるごとにフワ首相の足を引っ張ろうとするが、国民がそれにノーをつきつけた。
まあ信じられない展開ではあるが、このとき日本国民は変な熱病に冒されていたんだよね。
フワちゃんにブレーンはいなかったけど、若い世代の専門家たちと仲よくなって、税制、社会保障、安全保障など幅広い問題で改革を断行した。
そして生身の人間が首相をつとめるのはフワちゃんが最後になった。
その後どうなったのかは、また別のお話。