2020-08-11

囲碁における脱入門法。

 思ったより注目されたなぁ。

anond:20200810105533

 子供達が打っているのを見ると、宿題の成績はいいのにいつまで経っても何も知らない人みたいな打ち方をしている子が多いように思う。出された課題と実戦が結び付いていないんじゃないかとおもう。

 宿題を頑張ってるのに、大会ではボロ負けして嫌になって辞める、というのでは報われない。

 宿題ばかりが高度になっていって打ち方は永遠の入門者みたいな状況を脱するために、覚えていた方が良いことをちょっと書いておく。

※ある程度基礎用語を知ってる前提でお送りします。

石を取るのは一回休みと同じ。

 入門するとまず石を取ることを教えられるので、なんぞ!? と思うだろうけど、そうなのである

 何故石を取るのが一回休みになるのかといえば、後手に回るからだ。後手に回る、というのは相手に対して攻撃する機会を喪う、あるいは相手から攻撃を喰らうということを意味する。

 石を取ることによって相手に大ダメージを与えることも時にはある。例えば五目の石を取ると、取った跡地は自分の五目ぶんの地になる。そして、終局のときに取った石のぶん相手の地を減らすことが出来る。すなわち

 自分の五目の得+相手の五目の損=十目の得

 ということになる。

 だが、その十目の得が対局全体を俯瞰してみて果たして高い価値があるのか? ということを私達は考えなければならない。五目石を取り上げたばっかりに、相手の模様に攻め入る隙を喪ってしまっては、相手が模様を堅牢にして、二十目も三十目もの大きな地を作り上げてしまうかもしれないのだ。

 という訳で、石を取るという行動はリスクと表裏一体なので、どうしても必要な時以外はしない方がいいのだ。

石を取られないように継ぐこともやはり一回休みと同じ。

 ということは、相手に一回休みをさせたければ「石を取ってやるぞ!」と脅しをかけるように打つことである

石を取る手筋は石を取る為だけでなく駆け引きに使える。

 例えばシチョウという手筋がある。シチョウが盤面に出現すると、シチョウに抱えた方はそのまま取りたくなるか、取れたと思って油断するだろう。一方、シチョウに抱えられた方は、あーこの石はもう取られだわー、と諦めるだろう。だが、諦めるのはまだ早いのだ!

シチョウに抱えられたら、シチョウアタリが打てる。

 シチョウアタリが打たれた時、シチョウに抱えた方が何の対策もしなければ、抱えられた方は抱えられた石から動き出して脱出することが出来る。これはシチョウに抱えた方に大損害をもたらす。

 だからシチョウアタリが打たれると、抱えた方は脱出される前に抱えた石を取るか、あるいはシチョウアタリの手前に打って妨害する(ゲタがいい例)。

 そしたら抱えられた方はシチョウアタリからの二間開きや鉄柱などで相手の模様を荒らすことが出来るという訳だ。

 一方、抱えた方はというと、シチョウアタリを打たれたからといって唯々諾々と抱えた石を取る必要はなく、その石を取ることと盤上の他のエリアに先着することや相手の弱点をつくことなどと天秤にかけて、石を取る・取らないを判断することになる。

 つまり、一つのシチョウの出現によって、黒白双方に相手を罠にハメる機会が訪れる。囲碁における読みの応酬というのはこういうことで、これはただ詰碁だけを練習しても磨かれない部分なのだ

模様は地を作る為だけでなく、相手を袋叩きにするために張るもの

 模様を張った部分がそのまま地になる訳ではない。模様の張り合いから双方囲いあって、一つもタイマンをせずに一局終わらせることもできなくはないが、そうすれば先手(黒)有利なので白は負けそうである。なので模様を張るのは程々にして、タイミングを見計らって相手の模様内を荒らしにいくことになる。

 模様を張ることを地を作ることと思っていると、敵が模様の深部(だと自分では思ってた処)を抉ってくればたちまちパニックを起こしているうちに相手に崩しようのない地を築かれてしまう。自陣の中に敵陣を十目作られると、

 敵陣(+十目)+自陣(-十目)=二十目の大損

 となるので大変だ!

 いざ自分の模様の中に相手侵入したらどうするか、まずはヒャッハー! するべきである自分が数で勝る場所相手が単騎で飛び込んで来たのだ。これは袋叩きにしてやろう。

 相手を左右・上下から小突いて小さい地しか作れないようにしてやる。すると、小突いているうちにこちらは石数がより増えて、漠としていた模様が段々堅牢さを増しやがて大きな地になっていく。但し、相手にあまり接近して取ってやろうとすれば、逆に敵はそれを利用しながらちゃっかり地を作ってしまうので注意。

 と、まあこれだけにしておく。

 囲碁ゼロから始めると、詰碁、石を取る手筋、布石からの序盤の定石ちょっと、あとは実戦に勝る修行はない! とばかりに対局しまくる方向性になりがちだと思う。ガチ棋士養成する道場や塾ではもっと違う指導をするのかもしれないけど。

 詰碁や手筋や定石なんかは、正解があるので指導する方としては、採点が楽なんだろうけどさあ。勉強する方も分かりやすくていいんだけど、それらは筋トレのようなものだということを認識して欲しい。

 いざ対局しようとなったら、囲碁駆け引きゲームであるということを知らなければならないけど、ただ対局しているだけで自力で気づくのは容易ではないから、初心者向けの教本を読んだり、打てる人からアドバイスを受ける必要がある。

 

追記

id:Hasta_luego 囲碁は後手番があらかじめ得点を持って始まるので、先手が攻めないといけない設計になってなかったっけ。”

 はい、確かに白(後手盤)が六目半~七目もらうことになっています囲碁はどうしても先手有利だからです。しかも白は基本的に強い方が持ちますので、黒は先手でもそんなに有利でない場合もあるかもしれません。

 なお、よほど棋力差がある場合はハンデを少なくされたり、黒の方が逆に数目貰えたりします。

追記②】

初心者のための実戦解説を書きました。

アプリ『みんなの囲碁』の15級との対局です。

https://anond.hatelabo.jp/20200815185543

記事への反応 -
  • なんで何度も投稿してるの

  •  我が子が通ってる囲碁教室には保護者のお当番がある。そのお当番で一緒になった人にそれを聞かれた。保護者の中で碁を打てる人って他にいないらしく。  なので私は棋譜並べをお...

    • 小さい碁盤でやったら?

      •  教室で既に19路盤を使っていて、大会に出るときも19路の部に出されるから、19路で強くなりたいんだって。  あと、家で練習するために囲碁ゲームを買い与えたのはいいけど、9路盤で...

        • それなら、棋譜並べ、すごく良いと思うけどなぁ。

          •  だよねぇ。  お子さん本人は囲碁が大好きらしいんだけど、教室で出される宿題でいい点数取ってるのに、いざ対局となると全然勝てないので嫌になりそうになってるらしくて。たぶ...

            • 負けたって経験が積み重なると、競技が嫌になっちゃうから、実戦形式よりも 宿題に出された詰碁でも一手一手の意味を説明できるようになるといいのかな。 たとえばお母さんが、「な...

    • 囲碁棋士のユーチューバも、Vtuberもおるからね。。 見てると、やるたくなるが。 女流棋士の人なんか大変そう。 NH△Eテレの囲碁フォーカス見てたらいいじゃん

      • 憧れるのが近道だよね。『ヒカルの碁』をリバイバルするか新しく囲碁漫画・アニメを作るのがいいのかも。

    • セクハラか?ときかれたら、そうだと思うと応えるけど ようするにセクキャバもどきだろ? なんていうか、ドリンクのシステムを理解してない客はたまにいるから 2回なめなら1ドリ...

    • 将棋にしろ囲碁にしろ、強くなる子は勝手に強くなるので邪魔をしない以外のノウハウってないよね。 NHKでも見とけば笑 って答えとけばいいんですかねぇ。受信料払ってない?

      •  それですよ。勉強を押し付ければ子供は逃げていく。  将棋のことは私は指さないので分からないけど、囲碁の場合は、初心者が強くなりたい思った時にまずあたる手段が対局をこな...

        • 将棋だとほどよく弱いAIの「ひよこ将棋」なんてのがありますね。最初は無限に指せて(打てて)適度に負けてくれる相手がいるといいんですかね。

    •  思ったより注目されたなぁ。 anond:20200810105533  子供達が打っているのを見ると、宿題の成績はいいのにいつまで経っても何も知らない人みたいな打ち方をしている子が多いように思う...

    •  思ったより注目されたなぁ。 anond:20200810105533  子供達が打っているのを見ると、宿題の成績はいいのにいつまで経っても何も知らない人みたいな打ち方をしている子が多いように思う...

    • パズルが好きなら簡単な手筋とか詰碁とかやらせてみたら? 初級者用の本に載ってる問題をアプリのソフト使って並べて「こうすればいっぱい石が取れる!」ってやったら楽しいんじゃ...

  • 脱法入門ってなんかヤバそうだなと思ったら脱入門法だった

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