2020-07-07

好きな格好して好きに歩きたい

昨日痴漢に遭った。本屋さんで悩んでたらいきなり乳をむんずと掴まれた。とっさに足を出したがちょっとつまずいただけでそいつはニヤニヤしなごら逃げていった。あまりにも惨めだった。

今までから触られなくても視線を感じたり、すれ違いざまにAVのようだと笑われたりもした。もううんざりだ。

  

  

私のバストは大きい。逆三角体型のためくびれもある。尻も大きい。客観的には多少ふくよかだが女性らしい体型と言える。

昔はこの体型が本当に嫌いでバストが小さく見えるブラジャーをつけ、お尻も細く小さく見えるガードルを履いて身体ラインが見えない地味な服ばかりを着ていた。身長が高いせいもありやたらと目立つからだ。

だが以前友人に誘われパーソナルカラーやらデザインやらの診断を受け一番自分自分にとって魅力的にうつる格好をしたいと思うようになった。タイトな服も派手な色の服も買った。下着屋さんでも小さく見えるだけじゃなくてレースがきれいで寄せ上げするブラも買った。

  

から昨日の朝の私は完璧だった。身体にそったシルエットのサマーニットターコイズグリーンで肌に映えるし、デコルテが開いていて鎖骨がきれいに見える。くびれをきれいに出したくてメリハリの出るブラにした。ワイドパンツはお尻の大きさを隠して足をスラリと長く見せてくれる。新しく買ったゴールドの大ぶりなピアスは歩くたびに揺れてつい踊り出しそうなくらいだった。

美容院に行って髪を切り、仕事のご褒美に肉を食べ、夏物のお洋服を探した。服を探している時も店員さんがスタイルも良くてお洋服が綺麗に着れますね!なんてお世辞に気分を良くして買いすぎたり。まぎれもない最高の1日だったのだ。

  

ああ本屋なんて行かなければ良かった。

  

その後の悲惨なこと。気分を晴らそうとまた服を見に行った。店員さんのお世辞も影で笑われるんじゃないだろうかと耳に入らない。イヤホンをしたまま店内を歩いた。かわいいと思った服も胸下のギャザーが強調してしまうからやめようとラックに戻した。気にならなくなっていたすれ違う人の視線が全て私の体型を、格好を、非難しているように感じる。別に普通の服なのだキャバ嬢用のセクシードレスでもない。いつしか流行った童貞をどうこうする服でもない。ただ、私の体型で着てはいけない服が存在したのだ。

きっと今、私痴漢に遭ったんです。って犯人の手を捕まえて言ったってお前のその格好が悪いんだなんて言われてしまうだろう。遊んでそうに見えた。性的に強調しているように見えた。そういう風に思わせるお前が悪い。考えすぎだろうか?いいや私はそういう場面を、言葉を、ネット世界でも現実世界でもたくさん見てきた。

  

最高だと思っていた私は消えてなくなった。昨日すで買っていたかわいいタイトスカートは少しの間クローゼットの中で日の目を見ないだろう。ゆったりとしたパーカーのファスナーを首元まで上げた。これは私にも許された服だ。

最高の私を目指したことに後悔はない。だがフェミニズムだボディポジティブだなんだって言われたってこれだ。私がいくら変わろうと早々世間が変わることはないのだろう。また私が好きな服を着て着飾って私を最高だと強く思えるようになるまで、少しお休みをする。

  

私はこの体型のまま私の好きな服を着てなんの心配もなく好き勝手幸せに街を歩きたかった。愚痴であり願望である

  

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