2020-03-13

夜中に目覚めたら、家に知らない人がいた

夫とふたりマンションに住んでいる。

ある日の夜中、急に周囲が眩しくなったような気がして目が覚めた。起きたら部屋は明るいなんてことはなく普通に暗かったが、寝室の外から唸るような泣くような声がする。

寝室の隣はトイレなので、夫がお腹でも壊したのかな?大丈夫かな?と思い、声をかけに行くことにした。

でも起き上がって横を見てみると、夫、普通に寝ている。

しかし物音は依然として聞こえるし、リビングの方から扉を開閉するような音もする。まさかと思ってそっと玄関の方を覗いて見てみると、鍵、かかってなかった。

家の中に 誰か いる。

咄嗟に寝室の鍵をかけて夫をめちゃめちゃ静かに揺すり起こした。くちゃくちゃ顔して起きた夫に「家に誰かいる」って言った直後に扉の音、足音廊下の明かりがつく音、そして、寝室のドアノブガチャガチャされた。

夫もそれ聞いて硬直してた。

半信半疑だったけど、本当に誰かいる。マジでかいる。

夫が音漏れ防止に布団にこもって110番通報、私はベッドの脇に隠れた。

その間も誰かは廊下を往復しているみたいだし、廊下の明かりつけるし、たまにドアノブガチャガチャされる。

最初は物取りかと思ったけど、こんなに物音立てられると、物取りじゃないかも!と思ってむしろ命の危険を感じた。

5〜10分後くらいに警察が来て、まず普通にインターホン鳴らしてた。えっ、鳴らすの!?と思って聞いてると侵入者普通に受け答えしてるっぽくて震える。

寝室はマンション廊下に面していたので、警察っぽい人の気配がした瞬間窓開けて「受け答えしてる人知らない人!!入って!」と言って警察に入ってもらって、無事確保。

警察が来るまで、本当に生きた心地がしなかった。

まれてはじめて110番通報した。かけたのは夫だったが。

顛末としては、家に入っていたのは同じマンションに住むご老人で、初期の認知症であるようだった。

その日、どうやらうちの夫は帰宅時に施錠をし忘れていたようで、鍵があいたままの3階角部屋の我が家に、真上の角部屋に住むご老人が階を誤って入ってきてしまった

という、なんとも不幸な偶然が重なったものだった。

当然、事件性無しということでご老人は警察に連れられて自宅に帰って行った。

我が家にも過失があるので警察経由で謝罪お断りしたが、翌昼ご家族菓子折りを持ってこられた。

断ったのに個人情報を漏らすな警察!と思ったが、受け取らないのも失礼かと思って受け取り、こちらも軽く謝罪した。ご家族と一緒に来たご老人はしゃんとしているように見えた。

菓子折りはなんとなくまだ開けられずにいる。

住んでいるマンションエントランスが二重構造なのもあり、正直油断していたと思う。

はいい機会だと言ってスマートロックを購入した。もうすぐ届く。これはスマートロックステマではない。

それよりも、あのご老人がもし今回の事を気に病んでしまったらと思うと正直気が気でない。

おそらく私が最初に眩しくて目が醒めたのは勘違いではなかったのかもしれない。その後も出ていかなかったのを見るに、間取りは同じとはいえ本当にご自宅との区別がつかない状態だったのだろう。

家族が言うには(聞きたくなかったが)最近急に老化がはじまったそうで、この事件はご老人の記憶に重く留まってしまうかもしれない。そう思うとなんだか後味が悪い。

せめて、これがきっかけでさらに症状が進行されることがないように願うしかない。それを避けるためにもちゃん玄関の施錠は確認しておこうと思った。

そしてこれは笑い話のようなオチなのだが、ご老人、ご自分の靴を置いてうちの夫のサンダルを履いて帰ってしまっており(外で事情を聞いていたからすぐに履けるものを履いたのだろう)、

その時はまだどちらに住む方なのか知らなかった我々は、見知らぬ靴を前に、二度目の警察への通報となった。

今度は来てくれた管轄警察署に直接通報した。

対応してくれた警察官には感謝しかない。

みんな、鍵はちゃんと閉めようね。

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