初めてフレンドのチョコボに乗せてもらってクルザスの空を飛んだとき、流れていく景色と遠くに薄く見えていた山々が近づいてくるのを見てとても感動した。ニートでお金がなくて海外旅行なんて行く余裕がない私でも、パソコンの前に座るだけでこんなに簡単に知らない景色を見ることができるんだって思った。
ユーザーが企画するイベントに参加するためにFF14用のツイッターアカウントを作った。#おはララとか#おはウラ とか綺麗に加工したゲーム内のスクショを投稿する文化があることを知って、タグをつけてとっておきの画像をたくさん投稿した。
なんの取り柄もない私が、その数百人に反応してもらえたことで無条件に認められた気がした。
ユーザーイベントにたくさん参加して、フレンドがたくさんできた。
ツイッターもフォロワーが増えて、なんてことない呟きにも誰かが反応してくれるから、かわいい写真をたくさん投稿できるようにがんばった。
少しでも反応が沢山もらえそうな映える写真を撮るために何時間もかけて、何枚も同じような写真を選んでスマホに入れて加工した。スマホのメディアはほとんどゲーム内のスクショで埋まっていて、たまにリアルの友達と食べに行ったごはんの写真。
こうなってくるとゲーム内での人間関係もすごく気にするようになった。
フレンド同士のちょっとしたいざこざで声をかけづらくなった人と出会わないように、3国にテレポするときは必ずフレンドリストから居る場所を確認してから移動する。フレンドがユーザーイベントを企画するときは、できるだけ参加する。
夜遅くまでスクショを撮るためにログインして、朝は通勤電車の中で映えツイート。フォロワーの投稿にいいねを押しまくって、昼休憩もごはん食べながらいいねとリプライ。
かわいい装備をゲットするために何回も同じダンジョンを周回して、そのスクショを撮ってツイート。いいねとリツイートが沢山もらえる。
それで、ある日ふっと「しんどい」って思って、ログインを辞めた。FF用のツイッターも見るのをやめた。
今思えば承認欲求の塊がSNS疲れになっただけの話なんだけど、あのときはいいねの数が全てだと思ってたし、フレンドからどう思われるかが生活の中で1番大事だった。他人から羨ましがられることだけに心を砕いてた。
オンラインゲームで時間をかけて着飾ったところで、リアルは風呂上がりの髪も十分に乾かさずにゲームやってる髪ボサボサの喪女でしかないんだけどね
今は仕事がすごく忙しくて、でも結構現実は楽しい。あとお風呂あがりに慌ててゲーム起動する必要がなくなったから髪の毛をきちんと乾かすようになった。
私の自業自得は極端な例だと思うけど、承認欲求に踊らされて、楽しいゲームをしんどい人間関係の場に変えてしまわないようにお気をつけて
良き週末を。