「あの人は今、痛いところ(真実)を突かれたら怒っているんだ」
という言説をよく目にする。
マスコミのインタビューなんかでも、わざと煽って相手を怒らせよう(そして隠している真実を引き出そう)とするシーンをたびたび見かける。
いやいやいやいや〜!
そういうのって、批評とかに晒されたことがない一般市民のたわごとだって!
絶対にいいい!
私はライターとして記事を書いている。で、書いた記事が"ネットのはきだめ"こと『Yahoo!ニュース』に転載されることもある。関係ないけど、割とネットリテラシーがあるっぽい人でも「Yahoo!ニュースさんに掲載されました!」って言うよね? おおもとのメディアで紹介してあげなよ。
で、その"ネット老害の墓場"ことYahoo!ニュースに記事が載ると、当然ド低能コメントがつきまくるの。やつら140字までしか理解できない脳みそになっているせいか、このクソカス野郎最後まで読んでねーだろ! みたいなコメントもたくさんつくのさ。
激怒こそしないものの、そういう意見を目にしたときに湧くのは当然マイナスの感情だ。しかし、「このライター、◯◯ぐらい全部読んでから取材しろボケ」「××って書いてあるけど言葉の使い方おかしくね? 死ね」みたいな”的を射た指摘”を読んだときは、「ぐああ〜まあそうだよな〜! 確かになあ〜!!」と、感情のベクトルが怒りに振り切れることはまずないのだ。これは文章に限らず、なんらかの制作物を発表したことがある人ならわかってもらえると思う。
一方、カチンとくるのは、「何言ってるか全然わからない」罵倒なのだ。これなのだ。
詳しい内容は忘れたが、以前、記事のなかで「◯◯によると、熟練のライターが一日に執筆できるのは2万字程度だとされている」といった内容の文章を書いた。そして「新人ライターである筆者は、その半分ぐらいしか書けない。まだまだである」的な内容が続く。ライターのお仕事紹介、みたいな凡庸な記事である。
するとこれに「1万字www こいつザッコwwww」とコメントがつく。
本職のライターであればわかると思うが、単純な文字数で作業量を測ることなどできるわけはない。
(私の記事では「熟練のライター」のすごさを端的に示すためにあえてそういった数字を引いたのだが)
記事の内容がお堅い政治・経済系なのか、アイドルのインタビューのようなエンタメ系かによっても作業量は変わるし、記事内の固有名詞・数字の事実確認に要する時間も必要なのだ。
すなわち「ザッコwwww」とコメントしたやつは、本職のライターではない。
そして、こういうあんぽんたんな罵倒こそが一番ドタマにくるのである。ぜんっぜん的を射ていないのに! 「クソが! てめえどういう気持ちでこれ書き込んどるんや! クソボケカスのナメクジ野郎!!」不思議! 怒り心頭に発しすぎて今ならバイオライダーになれそう。
だから、Twitterとかで「ほほ〜んあいつ怒ってるな。さては痛いところをつかれとんな〜www」というのは間違いもはなはだしいし、いいかげん「相手を怒らせて本音を引き出す」みたいなことはやめたほうがいいと思う。まともな人間は、正しい指摘に怒ったりしないんよ。
小学生式の煽りってどの世代の人間にも刺さるからなぁ。 だからこそ精神的に成長するとそういう煽り方ってしなくなっていくわけだけど。あれは無益な上にとても失礼なのだ。
「怒っているときは(心に余裕がないから)ぽろっと本音を漏らす」ことはあるかもしれないけど、怒りに至らせた言動が真実かというとそれはまた別問題だと思
つまり「お前の母ちゃんデーべそ」が正解