店長に今の店を辞めると伝えて三週間くらい経った。
辞めると決めたらそれだけで気分が清々してしまって、何で辞めたくなったのか段々思い出せなくなってしまったのだけど、昨日、転職先のオーナーと面談していたら思い出した。
現勤め先ではオーナーの経営方針が現場の従業員に全然伝わってないのが、私は嫌だったんだなぁと。現勤め先のオーナーは超潔癖症の神経質で、何を最重要視しているのかというとやっぱり整理整頓清潔清掃なわけなんだけど、それを現場の誰もわかっていない。オーナーがそういう大事な事を飲み会とか表彰式とかでしか言わないのがいけないんだけど。
私はどうも人から説教しやすい相手と認識されやすいみたいで、オーナーからも顔を合わす度にどんだけ清潔だとかお掃除だとかをくどくど語られがちだった。
そんで「隙あらば掃除しろ、お店を快適に保て」と厳命されるので、私はあぁそういうものなんだと思って、それが私の仕事上での最優先事項・行動原理みたいなものになっていた。
でも外の人達は違った。皆それぞれ独自の最優先事項を持っていて、それに従って動いているので、一緒に組んで仕事をすれば当然に軋轢が生じる。
例えば、ある人はコンビニ以前は長らくスーパーのレジ打ちをしていたので、コンビニの仕事もレジ打ちが最優先だと思っているので、いくら売り場がみだれていようが、駐車場がゴミだらけだろうが、フロアにお客様が五名ぶらぶら歩いているとなればそれだけでもう「忙しい」判定をしてレジにスタンバイして他の事を何もしなくなってしまう。お客様がレジに商品を持って来たらすぐに受け付けられる事が最も重要だと思っているので、その人にとってはお客様がフロアにいるときに掃除や整理整頓や品出しをするのは「サボり」なのだ。
またある人は、現場従業員や正社員達の「働き易さ」を最優先事項としている。だから、掃除などの雑用を几帳面にこなすのは皆の「負担」だとおもっているので、わざと手を抜く。しないくらいで丁度いい塩梅妥だと言うように。
また別のある人は、お客様とのコミュニケーションと季節商品の売上が一番だと思っているので、掃除をする暇があるならお客様とお喋りをするし、お喋りをしながら季節商品を売り込んでいく。買ってくれるお客様には優しくするけどそうでないお客様には容赦ない塩対応を食らわす。
そんな感じでみんなかんがえている事は違うし、オーナーの一番の要望である「清潔で整理整頓が行き届いた気持ちのよい職場」というのは叶えられないままで、むしろ近隣のコンビニと比較してあり得ないほどきったねーお店になってしまっていた。
偶々、私はオーナーの要望に耳を傾けた。というか、耳を傾ける人だと思われた。それで私が誉められる、優遇されるという事はなかった。たぶん、私の行動を他の従業員に良いこととかお手本になるとかいう風にオーナーが言った事はないだろうと思う。
けど、他の従業員は私の事を、レジや接客を「サボって」雑用(掃除)ばかりしているとか、四角四面で融通のきかない性格とか、たぶんそんな風に思って私の悪口ばかり上に伝えるのだと思う。たぶん、ワタシのことをいけすかない理由はそんなところだが、それをわざわざ言語化する人というのはいなくて、ただムカつく、やりづらい、使えない、くらいのやんわりボンヤリした悪口でしか言わない。
だから、オーナーにはたぶん私の評判の悪さは伝わっても、なんで?ちゃんと仕事してるのに?ははー女の子達は難しいなぁーくらいにしか思われないのだと思う。
だからオーナーは、私のいうことなど誰もきかないのに、私が真面目に掃除や整理整頓をする後ろ姿を根気よく皆に見せ続ければ、皆は私の背中から学ぶと思っているのだ。
それは違う。オーナーは皆に自身の考え方を言葉で説明しなければならないのだ。そうでなくては何も伝わりはしない。私だって、偶々オーナーとバックヤードで顔を合わせて延々説教を聞かせられなかったら、何も知らないままだったのだし。
こういうことで仕事を辞めたらキリがない気もするけど、今の職場での私はもう詰んでるとしか思えないので、転職はやむを得ないと思う。
バイト変えることって転職っていう?