元来「萌え」という語自体には性的な意味合いは無く性とは別概念として捉えられていたが、一般へ広まると同時にオタクの間で使われなくなっていった過程で何故、性的な意味を持つ(と思われる)ようになってしまったのだろうか。
1995年、パソコン通信文化がまだ華やかだった頃に初版が発行された用語辞典「通信用語の基礎知識」では萌えについて下記のように記している。
元々は、まだインターネットなど普及していない時代の草の根BBSで、しかも自然発生的に生まれたと考えられる用語である。
それは男社会であるので、当初「萌え」が表現したものは、可愛い女の子の素敵な仕草を見て湧き上がる感情、であったと考えられる。
しかし時代の変遷を経て、「萌え」という語も広く普及するにつれ、誤用なども含めて様々な意味で使われるようになったと考えられる。
たとえばエロゲーに対する批評で「萌えゲー」と言われれば、それは「エロ要素が皆無か極めて薄い作風で一般アニメ漫画作品のような可愛らしい絵」を指すものと解釈されるケースが多い。
しかし昨今多用される「萌え絵」は全ての二次元絵を内包する巨大な概念として使われている節があり、「萌え絵は性的だ」「萌えとエロは違う」という不毛な争いをも生んでしまっている。
(そも、時代と共に変遷する性的概念を定義することそのものに無理があり、また性的か否かは画風で判断されるものでは無い。性交を直接描けばR18だがベッドシーンならR指定か一般指定、という実写映画のざっくりレーティングは比較的分かりやすい基準と言えるが何故絵に対しては画風で判断するのか)
風俗店の看板・広告で描かれる二次元絵のほぼ全ては無断使用であると言える。出典はエロゲーなこともあれば一般アニメや漫画であることもあり、適当に選別していることが容易に伺える。無断使用されている方にとって見れば迷惑なことこの上ないが、無断使用されていることなど知りもしない人が見れば「アニメ絵の風俗店看板→このような画風は性的である」と擦り込まれる可能性は充分に有り得る。
ちなみに何故、風俗店看板が二次元絵を使うのかというのも疑問だが、一説に寄れば「写真を看板・広告に貼るとこの女性を出せという客が来る」からだという。さすがに厄介な客も二次元絵ならこいつを出せとは言わないだろうという自己防衛策である。いい迷惑だ。
一時期のメイド喫茶ブームの煽りで、JKビジネスを含むライト系風俗が雨後の筍の如く激増したという。
このような店が名乗り始めたのが「萌えリフレ」「萌えエステ」「萌えマッサージ」であり、上記と同様に「風俗店が店名に使う言葉→性的な意味を持つ言葉である」と擦り込まれた可能性がある。
神絵師が萌え絵柄とエロ絵柄をかねそなえたまま自由の戦士含めた無邪気な読者に真っ先に周知されたからです