兄貴ことビリー・ヘリントンが亡くなられた。母親によれば交通事故とのことだ。
兄貴との出会いは当然ニコニコ動画の釣り。サムネに釣られて開けばマッチョな男同士のレスリングのような物が始まる。
「またこれか」と思うと同時に、なぜかそう聞こえてしまう空耳コメントのせいで面白くなり次第に兄貴が出ている動画ばかり見るようになってしまった。
一番有名な木吉カズヤとのレスリング動画に続き鎌田吾作やいかりやビオランテとの絡み合いを見た。兄貴が出ている別のビデオも見た。そのビデオに出ていた他の男優が出ているビデオを見て…とレスリングシリーズにどんどんはまっていった。
ただ動画を見ているだけでは物足りなくなり自分も作ってみようとWindowsムービーメーカーでMADを作ってみたりもした。今でもニコニコ動画に残っているが、素人が作った拙い編集で今なら見向きもされないだろう。それでもコメントが付いて嬉しかった。そこから動画編集にはまった。
人付き合いが苦手な典型的なオタクニコ厨だったが、レスリングシリーズ(あとドナルド、松岡修造、エア本等)という共通話題で友人も出来た。使いやすい語録やたくさんのキャラクターが居る所など、昨今のアニメのノリに近かったんじゃないかと思う。
当時高校生だった自分も社会人になったが、あの時学んだ動画編集の技術や知識が今でも仕事で役立っている。兄貴には感謝してもしきれない。
「ホモビデオ男優をバカにするなんて」と怒る人も居るだろう。日本の動画サイトで自分が出ているAVがオモチャにされていると知ったら怒って当たり前だ。
しかし兄貴はそんなケツの穴がキツイ男じゃない。日本での扱いを好意的に受け取り、イベントに出るために来日し生放送に出たり自ら素材を提供したりと大人な対応をしてくれた。ニコ厨や運営の悪ふざけに乗ってくれるユーモア溢れる人だった。
イベントでの兄貴コールに笑顔で答える姿やインタビューでの受け答えなど「妖精哲学の三信」を体現化したような姿に感動した。ネットで創作された人物像そのものの「兄貴」がそこに居た。
レスリングシリーズが下火になってもtwitterでMADやファンアートに触れ、なぜか台湾のイベントに呼ばれてそこでも大人気だったようだ。
そんな彼の急逝。嘘であって欲しいと思う。しかしソースが母親の発言となれば信じざるをえない。本人のtwitterとFacebookも止まっている。仕方ないねと諦めるためにこの増田を書いた。こんな時間まで起きてるだらしない男でいやぁサーセン…。
2018-03-04 ビリーの兄貴は歪みねぇ人でした