2018-01-10

アシスタント時代のひどい思い出

自分最初最後アシスタント経験をしたのは15年程昔のことだ

その先生同人仲間の一人に紹介された

通いのできる距離じゃなかったので2泊三日ほどの日程で手伝いに行った

当時自分はロクなバイトもしたことがなかったので、一日中絵をかいて金が貰えるなんて夢のような話だと思った

しか職場には自分より絵や漫画うまい人達がたくさんいて技術業界の話をたっぷり教えて貰えると期待した

から歩いて20分ほどの古い木造一軒家で近所には家と学校田んぼしか無い

汚部屋一歩手前のような散らかった室内で、掃除もしておらずホコリまみれだったが、漫画家は忙しいと聞くしこんなものだろうと納得した

先生室内犬を2匹ほど飼っていた。

かに、事前に犬がいるのだが嫌いじゃないか?とは聞かれたけど、自分が想定してはい大丈夫ですと答えた犬は

繋がれた犬とか躾けられたおとなしい犬の事で、床においたボストンバッグおしっこをひっかけたり床にウンチをころがす犬の事ではなかった…

トイレは用意されていたが、先生がまったく掃除しないので犬もイヤになったんだろう。

からといって粗相を許す気にはなれなかったが…それにファブリーズふりかけてゴメンね〜ですませた先生の事はもっと許せなかった。

休憩は食事を取る時間と、寝ていい5時間だけ。

食事の休憩も、マトモにとれるのは昼食だけでキツかった。

多分先生自身がすごく小食な人だったからだろう。

朝食は当然のように何も用意されていなくて、運が良ければ食堂の棚にバスケットに5個一袋みたいなちいさいロールパンが置いてある

先生が起きていれば頂いて良いですか?とか聞いてそれを食べ、すぐ席に着く。

それから昼までの長い長い数時間空腹のまま仕事。そしてやっとお昼ご飯を食べられる。

食べ終わって少々の雑談をしたら先生が席に戻って作業を始めるので、そこからまり長くは休んでられない空気

たばこを吸うスタッフはちょくちょく携帯片手に外へでてしばらく戻ってこないので、ほんとに羨ましかった。

そこから寝る時間まで、なぜか食事は無かった。これが本当につらかった。おなかがすいてしかたなくなったら、戸棚のロールパンが残ってれば許可とって食べた。

一度〆切前で全員が徹夜に近い作業をさせられたあと、さすがに自分も腹が減ったのか食料を買ってきて夜中に差し入れてくれた事があったのだが

なぜかお菓子みたいな小さなパンとか、を一人一個づつみたいなおどろきの内容だった。

せめて弁当だろうと空腹を抱えてとても期待していたからだ。

一回目これでものすごくこりたので次に呼ばれたときカロリーメイトをたくさん持参した。

もう行かない、とか、食事を出してくれるように頼む、とか、そういう事を考えることが出来なかった。

アシスタントってこういうもんなんだ、つらいもんなんだ、って勝手に思っており

どう考えてもおかしいよな、と思い至るまでに数年はかかった。

疲れ切った体で唯一許される休息の5時間に体を横たえようとしたら床にしきっぱなしのぺらぺらの敷き布団がやたら湿っており

部屋から室内犬が飛び出していくのが見えた。

さすがにこれを我慢するのは無理だったので布団を替えて貰ったが、よくよく思い返してみると前日までの布団もうっすら湿っていたし

明るい場所で見るシーツ粗相と思われるシミだらけでぞっとした。


自分が人に手伝ってもらう立場になったときはなるべく相手がつらくないようにと気を使ったが

自分あんな思いをさせられたのにこの子は運が良いな、とかいうわけのわからない嫉妬のような思いは頭の片隅にあった

そのうちデジタル技術の発展でアシスタントを使う必要が無くなり本当に助かった。

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