2023-07-15

処女を売った

何年も前の話なんだが、処女を売った。簡単に言うとAVに出た。出たのは1本だけで、今は普通に会社員として暮らしている。レーベルとか相手男優とか監督とかは全部書かないしギャラも書かない。


珍しくは無い、とは流石に言わないが、居なくは無いだろう、たぶん。セックスが好きなわけでは無い、むしろ嫌いだ。男性は怖かった。何をかんがえるのかわからないし、小中と散々いじられて過ごしたので危害を加えてくる生き物として認識してしまっていた。正直今もそんなに好きじゃないが、信頼できる人間はみつけられたので、全てが怖い人ではないんだなと思えるようにはなった。

話を戻して、出ようと思ったきっかけは、たぶん自己肯定感の低さからだったと思う。平均身長体重で顔も普通と言われるが彼氏ができなかったことにものすごく焦っていた。この歳で処女って恥ずかしいことだという認識があった。呪いみたいに頭に張り付いて離れなくて、けれど周りの人間には相談ができない。友達のの性事情を聞かされる(いわゆる女子会彼氏とのエッチがさ〜wみたいなノリのやつ)と、どんな顔をしていいのかわからなくなった。

みんなできていることなのに私にはその機会がこない、やばい。人としてやばいのかも。誰もが当たり前のようにできることなのに私はそれができてない。という焦りでちょっと頭がおかしくなったんだと思う。

「どうしたら彼氏ができるか」よりも「どうしたら処女を捨てられるか」が目的になった。そうなった私の行動は早かった。


当時に思考回路としては

処女を捨てるにはセックスをする→セックスをするには相手必要レイプはされたくないし、合意の上でも適当相手を見繕ってうっかり妊娠なんかするわけにはいかない→妊娠リスクが極めて低い安全セックスをする方法は何か→AVに出ることだ!検索


ばかか。ばかだった。

動力のあるばかってどうしようもないな。やばい事務所にあたったらもっとやばいことだって起きたかもしれないのに、映像作品を世に出してんだからそれなりに安全なはずだ!となぜか信頼してしまっていた。

思考バグっていたのですぐにネットで探して応募をして、細かくは覚えていないが書類選考が通って説明を受けに行き、処女を捨てたいと話して面接が通った。

ほどなくしてマネージャーが付き、話が進むのが早い業界なんだなぁとぼんやりと思った。

そこからいろんな事務所に連れて行かれ、面接を繰り返す。面接では「服を脱いでみて」と言われることが多く、何も考えず上裸になっていた。何か聞かれたらすらすらと喋れて自分じゃ無いみたいだった。


どれくらい繰り返したのか覚えていないが、なんとか企画だか事務所だかが決まって撮影日とギャラを聞かされた。こんなふうに決まるんだな、早く終わって欲しい、楽になりたい。恐怖感や危機感みたいなものは全く感じていなかった。そこらへんのヤリチンに捕まるよりよっぽど丁寧に扱ってもらえるだろうし、無理なことはやらされないだろうし、プロ相手なんだから良い思いもできるんじゃないだろうか。そんなお気楽思考撮影に挑んだ。


結果、もう二度とやりたくねえ。


痛い、苦しい、辛い。尊厳を踏みにじられている気がする。はあはあ言ってる男がのしかかってくるのキツい。入ってくる情報全部が無理だった。プロ相手でこんなにしんどいなら素人男性となんてもっと無理だ。セックスなんかもう一生しなくていい、こんなしんどいこと強要するやつは全員滅んで欲しいと思った。

プロのお店で童貞捨てて素人とはしたことない人を素人童貞というのなら、私は素人処女のままでいい。変な言葉だな、素人処女


あと、自分の穴がすごく狭いのを知った。とにかく痛い。ここから子供産むって正気絶対死ぬじゃん。女を妊娠させようとしてくる男って何?悪魔?って思った。(本当に狭くてタンポン入れる時さえ引き攣れるような痛みがある。どうにもならん)

映像にどんなふうに映ったのかは怖くて確認なんかできなかった。きっと酷い仕上がりだったと思う。きっと出演作は売れないだろうから身バレもしないだろうし、今後またAVに出ることもないなと思って帰った。翌月くらいにギャラはちゃんと振り込まれていた。

その後、事務所から何度か連絡が来ていたが全て無視をして、ようするに飛んだ。

10数年経って、特に何もなく暮らせているのでこの先も何もないはず。たぶん。

処女を捨てるという目的を達成し、変な呪いが解けて気が楽になったのは事実だ。何もあん方法とることは無かったな、と思い返して反省はするが、あの頃の私にはそれしかできなかった。若くてアホな私は必死だった。何か起きたら責任は歳食った私が取るしかない。

身バレしたくないのに誰かに聞いて欲しくて書いてしまった。こういうばかもいるんだな、ふーん。くらいで流し読みしてくれ……。

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