2021-06-02

「全ルールデマエX」に到達した私が、ガチマッチを止めた理由

(この話は、X底辺ぐらいまでの人を対象に書いている)

 

先日、ようやくスプラトゥーン2で「全ルールデマエX」に到達した。

ホコ・ヤグラ・エリアがXになっても、アサリはS+前半でもがき苦しむことが多かったのだが、

ついに上振れの機会を掴んでXになれたことは、感慨もひとしおである

 

さて、皆さんはスプラトゥーンをやっていて、こう思ったことはないだろうか?

「せっかく上がったウデマエを落としたくない!」

 

これに対し、(実際のウデマエがどうかは別として)アドバイスをしたがる人たちは否定的である

曰く、「そこで止めたら実力が停滞する」「実力通りなら一旦落ちてもまた上がれる」...。

大前提として、それは事実であろう。

しかしながら、彼らの考えは現実を見ていないようにも感じる。

もちろんその「アドバイス」に従うか否かは自分判断であり、その結果悪影響を被っても責任自分にある。

そこでここでは、自分が考える「ウデマエを下げたくないかガチマッチに潜らない」ことの理由を述べていく。

私がX底辺層なので、ターゲットガチパワー2000前後の方を主としているが、

それ以下の方にも共感してもらえる部分はあるかもしれない(逆に2300以上安定みたいな方にはまったくそぐわないだろう)。

 

1. ウデマエランクの価値

「ウデマエランクは飾り」という人がいるが、ウデマエランクは最もわかりやすい実力の指標である

少なくとも、S+以下では個人ガチパワーが示されない以上ウデマエランクを指標とするほか無く、

広いプレイヤー層の中で実力の基準をつけるのであればやはり指標はウデマエランクとなる。

 

「どちらのプレイヤーがより上手か」あるいは「このプレイヤーはどの程度のレベルか」を推測する際、理想は各プレイヤープレイ比較することだが、

それは現実的でないし、特に異なるブキにおけるプレイングの優劣を評価することは非常に難しく、何らかのシステム的な指標に頼らざるをえない。

となれば、やはりウデマエランクは「重要かつ理解されやす指標」であり、その最上級たる「ウデマエX」は特別もの、と認識されるのである

 

2. 毎月リセットがX底辺層に与える問題

デマエXでは、ガチパワーとほぼ同義の「Xパワー」が付与される。

これは月替りの際にリセットされ、その際にXパワーが2000を下回った場合はS+9に降格となる。

また、月替り前でもXパワーが1900を下回ると即座にS+9に降格される。

 

私が考えるに、Xパワー最大の問題は「こつこつ積み上げられない(長期的に合算できない)」点である

これはルールトップを目指すような超上級からすれば、「いけそうな月だけ頑張る」ということができるし、

2300以上を安定して出せる層にも「下振れを引きずらない」というメリットがある。

 

しかしX底辺からすると、この毎月リセットは恐怖の対象となる。

というのも、上振れによる「より高いXパワーを出せる」チャンスと、下振れによる「S+9に落ちる」というリスク価値釣り合っていないのである

それは前述の通りウデマエXが特別であるという点に加え、「ゲージ制のシステムに初期ゲージ0で戻される」という不利な状況も関係してくる。

例え1975で落ちたとしても、2連勝すればだいたい戻れる...ということにはならないし、ちょっと連敗が続くと連続降格、なんてこともある。

仮にリセットがなければ、下振れと上振れは長期的に相殺されるので「実力通りならそれに見合った場所に戻れる」のは正しいが、

S+以下のゲージ制は単純な勝ち負けによる変動とはまた話が違うので、「自分の適性位置に戻れる」とは限らない。

(これに加え、「計測中は自分ガチパワーが見えないのでリスク回避しにくい」というのも問題になる)

 

3. 責任転嫁しやす構造と「損失回避法則

私はマルチプレイ経験に乏しいので詳しくは言えないが、スプラトゥーンは非常に「負けの理由他者に求めやすい」ゲームだと考える。

プレイヤーが4人ずつのチームであること(自分以外の味方の存在

純粋にキル数の多寡を競うルールではないこと(単に「自分が対面上手ければいい」ではない)

・キルカメラがないこと(自分プレイ客観視する機会がない)

チャット等の連絡手段がないこと(視野外の戦況把握が難しい)

などなどの理由により、実際は自分プレイにも責任の一端があるにも関わらず、

あいつがあそこで死んだから負けた」「あいつがこう動かなかったから負けた」と思いやすい。

すると「自分は悪くないのにレートを失っている」と思い込みフラストレーションを溜め込むことになる。

 

また人間には「『得すること』より『損すること』を過大に評価しがちである」という、「損失回避法則」と呼ばれるものがあり、

これも余計にイライラを増加させる。

前述の通り、リスクとチャンスが釣り合っていないのであれば、損失への恐怖や後悔はなおさらである

すなわち、X底辺層にとって「ガチマッチに負ける」ということは、精神衛生からいえば大きな負担になるのである

 

4. リスクを冒すだけの価値はあるのか?

もしあなたが、「世界でも有数のプレイヤーになりたい」「プロゲーマーになりたい」と思っているのであれば、

前述の壁にぶち当たっても、それを乗り越える必要があるだろう。

あるいは前述の諸問題を前にしてもなお、ガチマッチ有意義と思えるのであれば、潜り続ければ良い。

ガチマッチ自体は非常に楽しいものである

 

ただ、私はそうやって度々リスクを冒した結果、失敗して一日を鬱屈した気分で過ごすということが何度もあった。

そういう方はおそらく他にもいらっしゃるだろう。

 

ガチマッチを失ったとしても、我々にはナワバリサーモンランもある。

知り合いが多い方はリーグマッチをしても良いだろう。

そもそもスプラトゥーン以外にも楽しいことは沢山ある。

 

現状のシステムにおいて、それら代替的な手立てがあるにも関わらず、

大きなリスクを抱えてガチマッチに潜るということは、果たして有意義と言えるのだろうか?

 

 

 

以上、「私が全ルールデマエXになってガチマッチを止めた理由である

今の環境およびシステムにおいて、X底辺層は他のプレイヤータイプ以上に失敗の恐怖に晒されている。

そんな彼らに対し、「S+落ちを恐れずガチマッチをやれ」というのは、現実およびプレイヤー感情無視した考え方ではないだろうか。

 

追記スプラトゥーン3では、「ガチマッチルールは楽しみたいがリスクは抑えたい」という声に応えたシステムができることを望む。

   具体的には以下の手法が考えられる。

    ・ルールガチマッチと同じだが、ガチパワーが変動しないモード(同モードを選んだプレイヤー同士での対戦)

    ・ウデマエランクをガチパワーと連動させる

    ・毎月リセットされるXパワーと、実力の指標となるガチパワーの分離

   ガチマッチルール自体は非常にプレイ甲斐のあるもの難解なアサリですら色々なプレイングがあり楽しい)なので、

   開発スタッフが上手く工夫してくれることを願っている。

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