2023-11-20

なんだかんだでいい時代になったと思うよ

小さい頃はまだ闇市が主流でね、物心ついた時には姉と一緒に焼いた豚の鼻なんかを食べたりしていた。

まれ田舎で、たぬきがとことこ歩く姿をよく見かけたりしながら小学校へと登校したもんだ。

人里離れた村だったけど学校は立派な木造で、生徒の数もそれなりに居たんだよ。

当時はまあ大した娯楽もなかったのだし、子供の数が多いのが普通だったんだ。

中学高校実家暮らしで、大学入学と共に上京することに決めた。

懐かしいなぁ。あのとき母さんと姉ちゃんが駅まで迎えに来てさ、汽笛が鳴ってゆっくり動き出すと二人とも映画みたいに走ってさ、泣きながら「がんばれ!」って声をかけてくれた。

俺もおんおん泣いて「頑張るから!」と姿の見えなくなった二人にも聞こえるように必死に叫んだ。

から死ぬ気で勉強をして、大学の頃はあまり遊ばなかったなぁ。

少しでもいい会社に入りたい。それで、ちゃん仕送りして、恩返しがしたい。

そんな思いでいっぱいだった。

努力甲斐もあって名の通った一流企業就職してからすぐバブルになった。

新入社員でも給料うなぎ上りで、毎晩先輩や同僚と夜の街に繰り出しったけ。

すべてが眩かった。

大学時代特に想い出がなかったせいもあって、そうした思いは顕著だった。

その後、バブルは本物の泡のようにあっけなく弾けた。

翌日、出社すると他の皆が思いのほか落ち込んでもいなかったのが印象的で、仕事終わりにはいものように飲みに言った。

でも、少しだけ口数が少なかった気がする。沈黙は雄弁だった。

その後PC一般家庭にも流通するようになり、俺は95を買った。

家に来た初めてのパソコンがそれで、今では考えられないくらモニターは分厚かった。キーボードも深い。

時代の流れというのは時に緩やかで、時に激しい。

それは俺の幼少時代社会人時代を対比させているようであり、技術進歩は目まぐるしかった。

30手前の頃、PS2が発売され、それでも俺はドリームキャストを買った。

先見の明があるから、と当時はそう語ったが、今にして思えば単に傾いていたかったのだろう。

それでも初めてKanonプレイしたときの衝撃は今でも覚えているし、だからDCを選んだことに悔いはない。

仕事では特に起伏もなく、淡々仕事を過ごす毎日

30も半ばになると今度はVRと来たもんだ。

時代の変化は早いものだなと感心し、ファーストペンギンのつもりで飛び込んだ。

実際PS4VRは凄かったし、最初は本当にサメに食われるんじゃないかって冷や汗を搔いたほどだ。

あの時の背中の冷たさは今でもはっきり憶えている。でも、VRは思ったより流行らなかったな…。

そして時代はもうPS5だ。

40手前となった今、俺はWin11でそれなりのCPUグラボを積んだPCを購入し、今は専らAI生成に嵌っている。

時代の流れは特に早くなりつつある。

あと10年後には、この世界はどうなっているんだろうな。

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