2020-09-20

anond:20200919212538

下記の増田で書いたけど、「表現規制」は、フェミニズムだとか個々の思想リクエストというよりは、社会のものが求めてるんだと思うよ。

物語うつつを抜かす奴らを、何でもいいからとにかく難癖つけて、現実に引き戻そうという教育ママ的な社会要請が、「表現規制」というメタフィールドからの「行きて帰りし物語」という形を取っているんだと思う。

社会では、物語に耽溺してる時間があったら、その時間分だけ、労働や家庭活動など社会に役立つ行動をしろと思われているわけで、

物語という無駄存在から人々を引き剥がす「表現規制」は、その個別具体的な内容に関わらず、社会では、方向性として正しいもの認識されてるんだと思う。

から要は、「表現規制」って「マンガばかり読んで!」という親の叱りを社会化しただけなんだよね。フェミニズムとか個々の思想は単なる理由付けであって、それを敵視しても全く意味がない。

から、「正しい物語」の不当性を述べる増田方向性筋違いに感じる。物語が「正しい物語」を目指しても目指さなくても、そういう理由で「表現規制」は全く止まないと思う。

そうじゃなくて、物語自体が「行きて帰りし物語」の構造を取り戻す、つまり物語一時的な甘えとして表現し、永続的に物語を読むような人間にさせない構造を取り戻すまで、「表現規制」は続くと思う。

読み終わった時点でその物語から離脱できるような物語を創ること、最終的に「覚める」物語を創ること、それだけが社会からの「表現規制」を回避する手段だと私は信じている。

まり増田危惧する「正しい物語」じゃなくて、「覚める物語」こそ社会要請に沿うものだと思う。

「覚める物語」とは例えば、鬱屈した思いを抱える読者が共感できる妄想をなるべく具体的に膨らませた上で、結末で「罰」として、登場人物にひどい目に合わせるとか。

そういう、個人妄想を奪ってできるだけ膨らませて最後に壊すというスタイルであれば、物語に予防的効果としての社会的意義が生まれ、「表現規制」で妨害されることも無くなるだろう。

しかし、そういう「覚める」構造は、創作者にとって自分パイを捨てることになることになるから、増えてしまった創作媒体を維持していくには、まあ難しいよね。

から、「行きて帰りし物語」は最近流行らないんだよね。だから社会も動いたんだよね。

まとめると、一時的な甘えとして存在の許された「物語」が、常続的に人々の心に巣食うようになった結果、社会がそれを排斥しようと難癖を付けたのが「表現規制」の本質

増田の言う「正しい物語」も個々の思想関係無い。必要なのは「覚める物語」。しか創作者はそれを望まないので解決は難しい、ってとこかな。

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表現規制」は、物語という宗教から人々を解放する社会から要請

https://anond.hatelabo.jp/20200913160034

記事への反応 -
  • 最近、「表現規制」のせいで、物語に集中できなくなってしまった。 読んでる途中で、ささいな表現の端々に「この表現、規制嗜好者に弾圧されるんじゃ?」と考え出して、物語の世界...

    • 下記の増田で書いたけど、「表現規制」は、フェミニズムだとか個々の思想のリクエストというよりは、社会そのものが求めてるんだと思うよ。 物語にうつつを抜かす奴らを、何でもい...

      • なるほど。 物語が独自の社会的意義を持てば、社会的圧力としての「表現規制」は無くなるってわけか。 まあ、「表現規制」が社会的圧力だというのなら、表現者側が圧力団体を作って...

      • オッ 行きて帰りし物語論増田じゃん。 総論には賛成だけど、フェミニズムは社会そのものとは無関係ってのはどうかな。 「物語ばっかり読んでいてはいけない」って要するにモラルだ...

        • オッ 覚えててもらえて嬉しいよ。 うーん。私の書き方が悪かったのかも。 「女性を雑に扱うキャラクターが悪役として書かれる、そういう表現はフェミニズム的価値観による要請が...

    • 誰かを傷つけるんじゃ?じゃなく、悪いやつらに正義の民が弾圧されるー!みたいなあくまでも被害者視点なのが認知の歪みの極みという感じで大変趣深い。

      • 誰かを傷つけるんじゃ?じゃなく、悪いやつらに正義の民が弾圧されるー!みたいなあくまでも被害者視点なのが認知の歪みの極みという感じで大変趣深い。 そのようなことは書かれ...

    • わたしはこのようにオタクコンテンツの自発的な滅亡を認めることができず外的要因であると改変する層の出現をかねており危惧していた。

    • 現実に引き戻す社会的機能が、創作者から社会学者らに移ってきた、って仮説か。 たしかに筋は通っている。面白いね。 だとすると当初の時点で「行きて帰りし物語」が流行ったのは...

      • 昔は、宗教だとかのファンタジーが社会的位置を占めてたわけで、そういう時代には「物語」も、それこそ今の社会運動的にリアルなものだったんだと思うよ。

    • >分かりやすく言えば、マンガを読む子供を叱って勉強させる母親と変わりが無い発言なのだ。 表現規制には、こういう視点もあるわけね。

      • オタクは子供じゃなくてスーパーとか電車で傍若無人に振る舞ってる汚いおっさんだろ。そんでオバハンにギャーギャー言われてるわけ。足閉じろとかな。自分を可愛く見積もるんじゃ...

        • まあ、オタクが子供として表現されるべきどうかはともかくとして、大のオトナがマンガばっかり読んで!っていうアホみたいな叱り方をする代わりに、表現規制を搦め手にして諌める...

        • 横やけどおまえが勝手にスーパーとか電車で傍若無人に振る舞ってるだけやろ他人を巻き込むなよ。

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