アニメやドラマ、映画、漫画やラノベなどの物語でしか泣けない。
姉が自殺したときも至って冷静で、生きていても死んでも迷惑ばかりしかかけないヤツくらいにしか思わなかった。
父も90近く高齢で胆管がんを患い、手術は成功したがおそらく数年で死ぬだろう。それでも考えるのは「めんどくさいな・・・」くらいにしか思わず・・・。
今までに知り合いや友人だった人もなぜか知らんが数人自死で亡くなっているが、その時考えたのは自分の保身だった。
父は自尊心や承認欲求が強く、嫌なことがあるごとに「俺を馬鹿にしやがって!!!」と泣き喚き、酒に溺れ子供に物を投げつけ、蹴り上げ、怒鳴り散らすような人だった。おかげでオレは今でも自身には全く無関係な理不尽な暴力や街なかで聞こえてくる怒号ですら怯えるようになってしまった。子供時代や学生時代はよくイジメられた。男なのに情けないって思う。今となっては、オレが大人になり、力もオレのほうが強くなった事もあって、暴力を振るうようなことは無くなったが、泣き喚いたりメンタル的に弱いのは今でも変わらない。
オレが特別優秀だなんて思い上がっていたわけでもないが、姉は料理も家事もロクにできず、スポーツができるとか、頭がいいとかもなく、にもかかわらず努力のかけらもするようなことはなく、何をやってもオレより劣り、誇れるようなことは何もないような人で、高校受験に失敗し、本命だったそこそこの公立校ではなく併願受験でなんとか合格していた最底辺の私立校へ行ったことで、更にクズ人間になった。クズ人間の不良の友人に処女を奪われ、そいつと結婚するとか言い出したが、両親に拒否され説得され、傷心のまま恋仲になった裕福な彼氏に救われて結婚したものの、結局そいつも父と似たような暴力旦那でDVにさらされ、精神を患い、そんな折2人の子供を産んだが、実家の団地の高層階から身を投げ自殺した。本当にどうしようもない自業自得な人生で、こんな人が姉だと思いたくない。だからもし姉との思い出は?と聞かれても「どうしようもないクズ人間だった」としか答えられない。
そんなオレの子供時代の救いは、優しく強かった母だけだった。だから母だけには、今でもとても感謝しているし、何かあったら助けてあげたいとも思う。それでもそんな家庭から逃げたくて、20になる頃には独り暮らしを始め、今は産まれ育った関西から遠く離れた千葉に住んでいる。
別にオレが死ぬような思いをしたことがないから、辛い人間の気持ちがわからないとかそういうのでもないと思う。理不尽な暴力は振るわれた本人が心身ともに酷く傷つくし周囲も嫌な思いをするから誰のためにもならない。独り暮らしを始めて少し経った頃、騙されて借金を背負ってロクな食べ物も無く、「死んだら楽になれるかな」なんて思いつめて自暴自棄になったこともある。自己意識の喪失が怖くて結局自殺はできなかったが。
たぶん、父が死んでも「やっとめんどくさいやつが死んでくれた」「でも母が独りになるけどどうしたものか」くらいにしか思わないんだろうな。