腹の中にどろどろしたものが渦巻いているので少し吐き出したい。
私は口下手なので文字でね。
そもそも口下手なせいで、弁舌の立つ人に言いくるめられた(ように感じている)せいもある。
とりあえず自分でも何がしたいのか、どうあってほしいのかよくわからない。
私は早くに母を亡くした。といっても成人してからであるが。母は突然逝った。祖父母を残して。
祖父母が元気だった頃はまだ良かった。
父からすれば単なる義理の父でしかないのだが、それでも病院の送り迎えなど甲斐甲斐しく世話をしていた。
祖父母にとって近くにいる親戚となると、うちになるのだ。
亡くなった母には姉はいるのだが県外に住んでおり、病院の送り迎えなど頻繁に帰ることはできない。
父自身も持病を抱えており、祖父母の介護を一人でやるには負担が大きく、私も送り迎えを手伝うなどしていた。
病院の送迎、お見舞い、といったものを介護と言っていいのかはわからないが、少なくとも私は結構な負担を強いられていると感じていた。
祖母は足が悪く、家の中でも杖をつかなければ歩くことができない。
いたるところにゴキブリの卵が産み付けられていた。
しかしそんな私にはゴミとしか認識できないものでも、祖母にとっては思い出の品である。
これを捨ててもいいかとお伺いを立てれば、捨てないで、とっておいてと言われる。
足が悪いので頻繁に買い物に行けない。
そんなに買っても食べきれないし腐ってしまうと諭したこともあったが、買い物を邪魔されたのを拗ねるような反応をされた。
ちゃんと生ゴミの処理をしてくれるのならいいが、そもそも掃除のできない人なのだ。
冷蔵庫の使い方がぐちゃぐちゃなのも手に負えない。
何度も改善を具申したが伝わらない。
そもそも祖母は耳が遠いので、ちゃんと伝わっているのかがわからない。
「わかった」といっても脳内でまったく別のことに変換しているようなので、伝わってるが直す気がないのか、そもそもまったく別のことを言われていると思っているのかもしれない。
父は一人でなんとかがんばろうとしているが、そんな父が疲弊していく姿を見ることが私には辛い。
祖母の長女である母の姉も、最近では月に一度戻ってきて片付けを手伝ってくれる。
こっちもいろいろ限界なので、父ではなく私から電話をして話をした。
私は口下手なのでまったく言いたいことが伝わらなかったが、あの人がどういうことを思っているのかというのはわかった。
・・・ように思う。
曰く、「そもそも父が祖父母の面倒を見る、母ともそういう話をしていたということで面倒を見ているのだと思っていた。
しかし、祖母の身の回りが不衛生な状態で、世話なんか全然できていないじゃないか」ということで毎月帰って掃除をすることにしたらしい。
正直なところ、ろくに帰らず法的に介護義務のない父に任せっきりでその言いぐさはなんだと今になって業腹である。
ちなみに私は口下手なので、電話で話しているときにうまくそういうことを切り替えせていたらよかったのにというのも業腹である。
おばは弁舌が立つのでね・・・ずっと前から口ばっかの人だと思って私は嫌いな人種にカテゴライズしていた。
まあうまいこと言い返せなかったのでモヤモヤしていたのを書き出してみたらスッキリするかなと思って書き出した。
多少はモヤが取れた気がする。
父が疲弊していくところをこれ以上傍観できないというのが私の気持ちなのだろう。
では私が矢面に立って祖母の介護ができるかと言ったら、無理だ。
血の繋がりもない赤の他人でしかないのに、それをやっている父には尊敬の念はない。
馬鹿だなぁとしか思わないが、とはいえ疲弊していく姿を見るのはしのびない。
そんな父をしのびないと思えるのが、私に残った唯一の人間性なのかなぁとも思う。
正直祖母はさっさと死んでしまえばいいと、半ば本気で思っているフシがあり、我ながら人としてズレているなと思う。
この鬱屈は、祖母の家がゴミ屋敷したことによって噴出したが、10数年来の、母が亡くなり祖父の介護をしていた頃から徐々に溜まったものである。
おばにはこれは伝えなかった。
私の口が立つのであれば、母がなくなったときから父に任せず、肉親である私が矢面に立っていれば結果は違ったのだろうか。
こんなに呪詛を撒き散らすようなことはなかったのだろうか。