2018-10-05

中学生が夜中に書いた文章

中学生が30を過ぎたおじさん達の酒盛りに付き合ってこんな時間日記を書くのはおかしいと思う

書き出しに迷っていたら父の友人、酔っぱらいのおじさんに最初愚痴から始めれば良いと教わった

なぜこんな文章を書いているのか

これもまたおじさん達にそそのかされたからだ

僕が普段から日記―父に監視されている―を書きブログで公開していることをつい口走ってしまったせいでもある

なら俺達のことを書け書けという流れになった

ジオシティーズサービスを終了するらしい、父達はその話題で盛り上がっていた

父は昔からインターネットが好きで小学生の頃からweb日記をよく読んでおり

ジオシティーズサービスを開始するとすぐに自分サイトを開いたらしい

懐かしそうにみんなで見ていたそれを僕も見せてもらった

目に飛び込んできたのは英字で大きく書かれたウェルカムという文字

その下には文字が流れていて、四角■で挟まれインデックスという単語を堺に罫線で囲まれたスペース

右上にはwhat'newという吹き出しがあり、小さな星がピカピカと光っていた

メンバーと書かれた部分を押してみる

父の名前があった

ひらがなでゆうたと書いてある

ゆうた君、こんにちは

僕が言うと、父の友人が飲んでいたお酒吹き出し

同時に仰け反り、頭を持ち上げたせいで大人同士仲良くごっつんこ

みんなゲラゲラ笑っている

僕はそれを横目に、いやそっちのけで画面を見ていた

とても不思議な気分だったか

もっとこのサイト探検してみたかった

掲示板という文字クリックしてみる

残念、表示できない

横で見ていたひげの生えたおじさんが少し操作して当時の掲示板を見れるようにしてくれた

彼も元メンバーの一員らしい

開いたのは総合掲示板というページのやりとり

父がいた

敬語で僕の知らない人と話している

僕と殆ど変わらない歳の父だ

14歳の父だ

言葉では言い表せない感情が沸いてきて、同じ段落を何度も何度も読み返していた

この度はご来訪ありがとうございます<(_ _)> 、だって

変なの

日付には2000年と書いてある

18年も昔、僕が生まれる前の出来事

なんだか凄い

父さんにも中学生の頃があったんだ

そんなことを考える

僕も書き込めないか

そう思って返信を試みたけれど、隣で覗くおじさんに無理だと教えられた

父達の興味がよそに移ったあとも、僕はひとり探検を続けた

一番新しい部分の更新2001年で止まっている

このあと、数年を置いてブログサービス流行ったらしい

父も高校生の頃やっていたと聞いた

そんな話をしていると、父の友人が急にidパスワードを憶えているか、と言い出した

しばらくああでもないこうでもないと首をひねる父

結局ひげの生えたおじさんが思い出してしまった

そしてカタカタと何かを打ち込む

そういえば今、僕もカタカタこれを書いている

今日は母がいないので夜更かししても怒られないけれど…

ちょっと眠い

でも

もしもこの記事が沢山ブックマークされたら父と友人が僕に新しいタブレットを買ってくれるらしい

やる気が沸いてきた

話を戻る

父の友人がキーボードを触っている間、僕は画面を見せて貰えなかった

楽しそうに違う違うと笑い合う父とおじさん達

しばらくして僕はディスプレイを覗くことを許可された

どうやら終わったらしい

映っていたもの

それを見て僕は、ラインで母に送ってあげようと思った

スマホを取り出し

カメラでそれを撮る

母に送った画像

そこには父のサイトが映っていた

17年ぶりに更新されたサイトメンバー

新人は僕だ

14歳の父と13歳の僕

1歳違いで二人が並んでいる

来年には同い年だね

僕が言うと父は笑って返した

来年には消えているよ

そっか

おやすみするんだっけ

お疲れ様、父さんの青春

お疲れ様ジオシティーズ

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