長年某アイドルのオタクを営んでいた友人が、しばらく見ない内にアンチと化していた。劇的ビフォーアフター。
ちなみに私も彼女と同じアイドルを推している。というか、そもそも私が推すきっかけを作ったのも彼女である。大変驚いたが、彼女がアンチに転身した理由については、その殆どは納得できるものだった。同じ界隈に居るので、推しを取り巻く問題、批判、擁護などは把握している。こと今回の件については炎上もしょうがないレベルだったし。色々あるよな、ドルオタは。
と、比較的やさし〜い顔で聞いていたのだが、一点だけどうしても納得できなかった。
推しに愛想が尽きた旨についても散々聞かされたのだが、一言で言えば「推しから大事にされていないから」ということだった。
そして「最近さあ…元推し以外の歌もいろいろ聴きまくってるんだけど、いい曲多いよね…。あんたが前から推してたポルノも、はじめてちゃんと聴いたんだけど、アゲハ蝶、めっちゃ共感した…元推しがもっと私達のこと愛してくれたらな…。」とのたまった。
これを聞いた私、ブチ切れ。は??何言ってんだお前??今の話のどこにアゲハ蝶の要素あんの???つーか私達ってなんだよ、お前と私を一緒にすんなよ。
そもそも「アイドルを応援する」というのは一方的な行為である。応援することに見返りを求めるのがそもそもの間違い。ファンは「推しを応援したい」という、言ってしまえば一方的な欲望を満たすために、せっせと彼らに金を払う訳で。誰がお前にそれを強要したよ?と言いたい。
アイドルとファンは「需要と供給が一致した時にだけ成り立つ関係」だと思う。自分の中でそれが一致しなくなった時には離れたらいい。それこそ一方的に離れられるのだから、その権限をフルに活かすのである。
アイドルとファンは、絆がどうこうだの、愛がなんちゃらだの、そんな甘い関係が成り立つものではないのである。言ってみればめちゃめちゃビジネスライク。こちら(ファン)は彼らの笑顔やら歌やら言葉やらを金で買い、あちら(アイドル)は需要に合うものを模索して提供する。
ただ、勿論完全に愛がないとは言わない。アイドル側は、応援してくれるファンに対する感謝があるだろうし、ファン側はそもそも愛の塊である。だって、言っちゃえば赤の他人に莫大な金払ってる訳ですし。そこには愛しかない。
だがファン側の愛は一方的ものであることを忘れてはいけない。金と時間を支払って彼らを応援すると決めたのは、他でもない自分自身だってこと忘れてはいけない。アイドルは別にそれを強要した訳では無い。
そんな一方通行の関係が辛いと思うなら、悪いことは言わない。滝行しろ。頭冷やしてこい。
「終わらせることは出来るけど」って言ってんだろーが。終わりはこっちが決めるものなんだよ。
「近づくことはできないオアシス」の部分、本当に聴いた??お前まさか「ら〜ら〜ら〜ら〜〜ら〜〜ら〜〜〜〜」が長いからって、ラスト飛ばしたんじゃねえだろうな。ちゃんと聴け。
詩人がたったひとひらの言の葉に込めた意味は、結局のところ詩人にしかわからないのと同じで、アイドルが何考えてるか、本当のところファンのことどう思ってるのかなんて知れる訳ない。そういうもんなの。それを考察するのは自由だけど、自分にとって都合の良い考察をアイドルに押し付けるのは間違ってんだよ。これはアイドルに限った話じゃない。身近な人間関係でも言えること。
それがわかんないなら、わかるまでアゲハ蝶を聴け。ついでに7/25発売のポルノグラフィティ最新シングル「ブレス」もよろしくお願いします。