2017-02-10

野尻抱介さんの考える表現規制のありかた、そしてライトノベル

SF作家野尻抱介さんがあるツイートをして話題になりました。

野尻抱介中学になったらラノベなんか読むな、大人の本を読め。大人の本で本物の教養セックス暴力や愛や人生を学べ」「中高生迎合したラノベなど消えてなくなれ」

https://togetter.com/li/1075475

ライトノベルについて悪し様に言っているかのように捉えられて話題になったのですが、一方で「これは野尻さんの主旨ではない、悪質なまとめだ」という意見も見られました。

後者意見賛同する記事も出来ました。

SF作家の「中学になったらラノベなんか読むな」が文脈外れて盛り上がる 「俺TUEEE!」ばかり読んでたらダメなのか

https://news.nifty.com/article/economy/business/12117-5589/

ここで野尻さんの一連の発言についてわかりやすく二点に分けると、

ライトノベルは消えてなくなれ、大人の本を読むべきと個人的には思うが、そう言った個人好き嫌い感情表現規制を論じてはならない。ライトノベルを消すか残すは読者が決めること

権力ライトノベルを奪いにきたら守らなければならない。そのためにフィクションの沈溺から脱し、ファクト理解しよう。サブカルを守ろう

ということを言っています

主旨は「ファクト理解してすべてのフィクションを守ろう」といったところでしょうか。

上述の記事でも、

もともと野尻さんは、「自分好き嫌いにかかわらず弾圧には抵抗しなければ」という旨の文脈発言していたが、結果として、ラノベの是非について喧々諤々の議論が盛り上がることとなってしまった。野尻さん自身最初のほうだけ読んで噴き上がっちゃいかん」と釘を刺していたのだが……。

と触れられています

なるほど。

それで合っていると思います

「ある発言」を踏まえていなければ。

野尻さんがライトノベルについてツイートしたのはこれが初めてではありません。

この素晴らしい世界に祝福を!」はコンプレックスまみれの視聴者を徹底的にいたわった作品

https://togetter.com/li/931628

<script async src="//platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

これは「個人感情」ですよね。ここまではいいです。(「アニメ」と書かれていますが、アニメを見た上で原作ライトノベルへの批判をしているようです。くわしくは以後の会話を見てください)

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悪書辞典を引けば「読者、おもに青少年に悪影響を及ぼす本」と記されています

ぐぐれば「悪書追放運動」などが最初の方に引っかかるでしょう。コミック低俗有害から売ったり読んだりしてはいけません、といった運動です。つまり表現規制ですね。

なんと。野尻さんは個人的感情のまま、規制を叫んでいたではありませんか。

そのひとが今度は「サブカルを守る」と「規制反対」を訴えます

と言ったことを踏まえると、今回の発言の「主旨」はこうなるでしょうか。

ファクト理解してフィクションを守ろう、ただし私が悪書指定した本はのぞく

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