塩村議員に対する野次。
隊長や某コラムニストらのゲスい「塩村ビッチ論」はおいといても、塩村議員がどう感じ何に涙したのかはわからない。
だけど、このニュースは不妊に悩む女性にとってはショッキングなことであったことは間違いないと思う。
かくいう私も都内在住で30代不妊に悩む女性として憤ったり悲しかったり。
不妊って、本当にしんどい。「子供ができなかったなら仕方ない」と覚悟を決めないとやってられない。
数ヶ月前から不妊治療のクリニックに行き始めた。日本の(というより東京都の)不妊治療の現状を知って衝撃を受けた。
時間予約ができないので2時間待ちは普通。いつ行っても待ち合いスペースは20代〜40代の女性であふれている。
こんなにたくさんの女性が不妊に悩んでいるんだ、と衝撃的だった。
第二に、保険が利かない診療科目が多いので当然ながら治療費が高額。
通常なら1回の通院で3000円〜10000円以上かかる。
これが週に数回かかるとなるとかなり痛い。
もちろん、体外受精をすると1回につき数十万円が飛んでいきます。
そして、どれだけ高額の治療を受けても、それが必ずしも「結果」(=妊娠・出産)に結びつく訳ではない。
第三に、時間の融通が効かないということ。
初期のタイミング指導なら、排卵日1週間前くらいから毎日のようにクリニックに通って、超音波で卵子の育ち具合を見て、十分な大きさになってきたら医師から「今晩タイミングとってくださいね〜(=sexしてね)」と指導される。
困るのは、「じゃあ、明日の朝、もう一度来てください」と言われること。
働いている身としては「いや、無理です!」としか言えない。
私は教員をしている。授業計画に沿って授業をしているので、突然「授業を休む」なんてとんでもない。今日の明日で、代わりの人に授業をやってもらうわけにもいかない。
もちろん「私、不妊治療してるんで突然休むことあります!」と宣言すれば、受け入れてくれる職場ではあると思う。(学校にもよるだろうけど、教育現場は出産・育児に関することについては割と寛容です)
だけどその場合、授業を頻繁に休講にする理由として、生徒や保護者にも「不妊治療宣言」をする必要があるだろう。保護者からは「そんなにすぐ休む人をうちの子の担当にするな」というクレームも来るだろう。
結局、仕事を休む訳には行かないので、不妊治療クリニックの通院は今のところやめている。
私のように、仕事の都合で不妊治療を続けられない女性って少なくないと思う。
長々と書いてしまいましたが、とにかく不妊って「しんどい」ってこと。
不妊治療の一番辛いところは「私が悪いのか」と自己批判・自己嫌悪に陥りがちなところだと思います。
妊娠できない自分が悪い、妊娠するための治療も受けられない自分が悪い、と。(科学的には、不妊の原因は男性と女性で半々だけどね)
そういう実感を持ちつつ、件の野次のニュースを見ると「あぁ・・・」って絶望しかないですよ。
おっさん世代には「産めない女性が問題」という認識が未だにあることとか、そして今後不妊治療が受けやすくなるような社会制度が作られたり、社会的な認知が広がることはないだろうこととか。
というわけで本題ですが、そういうおっさんに同じような痛みを持たせられるセクハラ野次って何がありますか?!
「お前のくされチンポ、いつ勃つんだよ!」みたいな?
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