ここ最近の中絶論争を見ていて、反応の9割方が、どちらの立場に立とうとも、「そんなのは当たり前だろうがヴォケ」的な反応に終始していて、どうも当を得ない。私は中絶に懐疑的だから、特に気になるのかも知れないが、具体例としては、「じゃあ、男は精子を吐き出すたびに何十億と殺してるんだ、ワロス」みたいな反応である。それ自体は何にも変化しようがないただの精子あるいはただの卵子と、受精し、着床して、細胞分裂を始め、何もしなければ出産に至る過程に入った胎児をどういう根拠で同列に扱うことができるのか、根拠があるなら聞いてみたいところである。こういうヒステリックで不合理で論理的整合性がかけらもない反応で埋め尽くされること自体が、中絶が多くは感情の問題として処理されていることを示している。
まず、現状を簡単に整理しよう。
刑法においては、中絶は原則的に禁止されている。堕胎罪規定であるが、これが殺人や傷害ではなく堕胎罪という特殊な規定になっていること自体が、「胎児は人ではない」という定義をなし、中絶を刑事犯罪として扱いながらも、中絶を根本のところで可能にしている。母体保護法では、経済的な要因を含めて母体の健康を害する場合に限り、母体保護の観点から中絶を容認しており、これが現在の法的な根拠になっているが、現状の中絶の状況は、母体保護法の規定から見ても明らかに拡大解釈がなされている。厳密に規定を適用したならば、現在の中絶の9割以上は禁止されるだろう。
この法的な現状を理解していない人は中絶容認派・反対派、双方に多い。
胎児は人ではないのだから、殺人罪は適用されない。中絶は殺人ではない。
一方で、中絶は「女性の権利」ではなく母体保護上の緊急措置である。女性の身体的自由の権利が、妊娠という状態において擁護されているわけでも容認されているわけでもない。
母体保護法の厳密な規定から逸脱する中絶は原則として犯罪である。法規は胎児を人として扱ってはいないが、胎児保護をまったく無視しているわけではない。
現状の中絶が慣行的に容認されているのは「経済的な理由」を堕胎理由に含めているからであるが、子供を一人産んで養子に出す、あるいは学校を辞めて働いて育てる等々が、社会情勢的に無理であるとは言えないので、これを厳密に解釈すれば、中絶の大半は違法になるだろう。
少なくとも現状で中絶する人は、法的にはかなりのグレーゾーン行為を働いているということを自覚した方がいい。
「そんなのひどい。女性が自分の体のことを自分で決められないなんて」
と主張するのは結構だが、現状、妊娠における女性の身体的自由の全面的な自己決定権が承認されているわけではない。「中絶は殺人だ」という人に対して、「胎児は人じゃないのにワロス」という態度が容認されるならば、中絶者は「堕胎犯罪者め、人間のクズが」と扱われることを受忍すべきである。
そういう現状の状況から離れて、中絶をどう扱うかという話であるならば、「中絶は殺人だ」という見方は、「中絶は女性の身体の自己決定権だ」という見方と同様に、ひとつの見解に過ぎない。批判は双方に対してなされるべきである。
・中絶の責任は男女双方に問われるべきである。避妊を怠った時点で、妊娠はあり得るのだから、妊娠・中絶を知らないならばともかく、そういう状況を知ったうえで中絶を勧告・強要した男性は女性と同様、堕胎罪に問われるべきである。
・女性の身体的負担に対する補償は、男性から女性に対して行われるべきである。本来、妊娠の負担、中絶の負担は男女双方が負うべきであり、生物的な要因で女性のみがそれを過重に負う以上、経済的な補償でそれが相殺されるべきである。
・女性の身体的自由は妊娠に関して無制限に認められるべきではない。セックスをする/しないから始まって、避妊をする/しない、複数の避妊手段を用いる/用いない、に至るまで、妊娠の前段階において自己決定権は担保されているからである。刑法の堕胎罪規定、母体保護法の例外規定を厳格に適用すべきである。そうすれば中絶はごく例外的な事象になるはずである。
・胎児は人ではないが、人に至る前段階として、特殊な保護が与えられるべきである。人かモノかの二元論的な基準外に胎児というカテゴリーをもうけて全体的に法体系を整理すべきである。
・中絶の責任は男女双方に問われるべきである。避妊を怠った時点で、妊娠はあり得るのだから、妊娠・中絶を知らないならばともかく、そういう状況を知ったうえで中絶を勧告・強要...
最も中絶件数が多い年齢層は20代から30代であるといえる 10代以下・40代以上の妊娠が少ないんだから当然では? 中絶件数/妊娠件数が高いのは10代・40代
中絶件数/妊娠件数が高いのは10代・40代 ソースくれ
通りすがりの横増田だが http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/H22gaikyo_seigo_kaku_201203a.pdf これが比較的新しそう。 見る限り、H18年時点では20代前半の割合が高かったけど、全体的に数値が下がってき...
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai10/toukei03.html とで22年度の中絶:出生を比較してみよう 中絶 出生 中絶/(出生+中絶)20歳未満 20357 13545 60%20~24 47089 110956 30%25~29 ...
おー本当だ10代TAKEEEE 40代合算が33%、20代合算が18%そこそこ、30代はせいぜい12%ってとこか? 40代中絶は母体の健康リスクだろうか 10代は十中八九経済リスクだよな
ダウン症候群の出生率は母親の年齢が40歳で106分の1、45歳で30分の1と言われています
どうも元マスダです。 勧告・強要しただけでは実際に堕胎していないので、新しく「堕胎教唆罪」等を設けることになろうと考えられる。自殺教唆罪・自殺幇助罪のような位置づけか...
堕胎するとして、それを女性のみが問われると言うのはいかにも理不尽なので、堕胎教唆罪の内容自体は堕胎罪と同等にしなければ男女平等の観点からしておかしいだろう。 自殺教唆...
個別の事情を棄却してはならないというのならば、まず出産するか中絶するかという個人の意志・選択を棄却すべきではない。 とはいえ、個人的には裕福な学生の例ならば、本当に完...
それで言うならばセックスをするしない、避妊するしないの時点で、個人の意志・選択は既に表明されているのでは。性教育も受けていない子供ならばともかく、こうすればこうなると...
避妊せずにセックスをすれば必ず妊娠するとは限らないので、「こうなるとわかった上でそうした」という風に意図的な行為として扱うことは不適切なのでは。 他の記事で出ていたよ...
「そんなのは当たり前だろうが」っていうのは、「そういう結論に至るまでにこれこれこういう流れがあるんですよ、それを無視して展開するにはあなたの主張は荒唐無稽すぎます、説...
頭が悪い人が議論しようとしてもだめじゃね?w
お呼びでないよ。 論理的に欠陥を突いてからにしてくれ。
どっちも頭が悪そうなので、議論を深めるのは難しいだろう、ということなので。
議論を深めていないという点ではお前も同類。 深めようとしないならお前は単なる雑音であり外野。 「お前らあたまわるいなw」と言いたかっただけの目立ちたがり屋だ。やはりお呼び...
どうも。元マスダですが、返答しようとしただけ、私はあなたを頭が悪いとは思わないね。そういうことを言いたがる人は議論されて不都合があるんだろうか。 「そんなのは当たり前...
眼球は成長しても人にはなりませんが、眼球を切除してもいいの?
あるだろ、不都合。 自分が理解できないこと、整理がつけられないこと、ついていけないことは「バカがアホやってる」ってことにしておきたい さあ、どうかな。たった一行書けば済...
自分の眼球を切除したいならすればいいんじゃない。何か不都合がありますか?
まあ眼球切除しても死にはしないだろうけどさ。 じゃあ自殺も許容する感じなのかな。自分の命を終わらせたいなら終わらせても不都合ないよね
ええ、いいと思いますよ。自分の身体のみに関わることならば当人が完全に自己決定権を持つ、それでいいと思いますが。 中絶の場合は、胎児をヒトとまでは言えぬまでもヒトに準じる...