2011-04-05

3.11以降三週間の備忘録

原子力を推進する立場であれ反対する立場であれ、今回の原発問題で特にフラットで居べきと感じる問題の一つは原発リスク

経済合理性だと思うんだけど、特に仕事として推進する立場の人間原発の代替電力として伸びてくる分野を生業とする立場では、

条件を公平に捉えた上で、ポジショントーク含め、自分たちの議論を(企業として)展開する機会が増えてくるんだと思う。

フラットに問題を捉えた上での議論は、例え展開する論理自体は(恣意的にでも)偏重してるとしても、つっこまれどころを把握して

る事になるから

最近AC理事に電力会社が多いことが少し話題になってたけど、電力事業は仕事の公共性や地域への影響を鑑みてPublic Acceptance

重要仕事として位置づけているから、事業推進時に大衆心理を考慮することが他業種と比べても多いという話を聴いた事がある。

から公共広告を事業目的としているAC理事に電力会社が多いのかなと個人的には思う。

癒着などの陰謀論的な意味はなく、純粋に公共広告ノウハウ蓄積が多いから。)

意思決定時の理論原発問題について

最近では、放射性物質に対する大衆心理分析として、色々な人間心理の理論や現象に関する話を目にする機会が増えた。

例えば、プロスペクト理論 (100%で100万円貰えるのと、50%で200万円 Or 0万円だと前者の選択が多く、100%

で-100万円の借金が帳消しになるのと、50%で-200万円帳消し Or 0万円だと後者の選択が多くなる。期待値は同じ。)

では人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスク回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避

しようとする傾向があるらしい

従って、放射線漏洩事故という損失を目の前にした現在大衆心理としては原発リスクを正しく判断できず、全廃にしたいという

心理が働くという論理展開なのかなと思う。

(よくタバコ飛行機自動車リスクと比べてリスク判断として公平でないという議論が展開されている。また単kw当たりのDeath

Rateとかも併せて比較されがち。 

元ネタ?:http://www.newscientist.com/article/mg20928053.600-fossil-fuels-are-far-deadlier-than-nuclear-power.html

逆に、推進したがる側の心理でも、いわゆるサンクコストに囚われて、廃炉処置、原子力ビジネス撤退に対して公平に判断できなくな

ることもあると思う。この場合のサンクコストには企業レベルの営業努力投資から個人レベル勉強などのために費やしてきた時間

なども含まれる。

などなど諸々。

理論適用における有意性の是非はまた違う議論だと思うけど、上記はよく展開されている論理の一例として。

もちろんこれらを後付け的に、持論擁護もしくは相手への反論に向け、ポジショントーク布石として展開する事も多く見られると思う。

まとめ


これらの意思決定時の理論や現象の原発問題への派生・応用はこれからたくさん議論されてくのだと思う。忘れてはいけないのはこれら

政策やビジネス上の決定の際に考慮される大衆心理はあくまでPublicであって、直接被害を受けた人間に対して、あなたバイアスに陥

っています、という目的はない事。また逆に被害者に公共が同調し過ぎるのも問題だということ。

個人レベルの話


感情は否定できないのでしょうがない部分はもちろんあると思う。ただ、人間心理を現象として捉える種々の理論を知ってるかどうかだ

けでも、自分や他人に客観的になれる瞬間は増えると思う。

ただし、理論適用是非は慎重にならなくてはいけないし、仮に有意だとしても、空気読まず理論を振り回す人間も知識に振り回されて

いる訳で、知識から得る便益と自分の評判を落とす不利益(ただの知識のひけらかしに見える、面倒くさい人間に見える、など)のトレ

ードオフになる瞬間は日常に多い気がする。

(要は得だと思って勉強した知識の使いどころを間違って、自分人生結果的に不利益を被る。)

という訳で、この問題に限らず知識を個人的に活かすのはなかなか難しい。。

あと、仕事や政策上など理論実行・周知の際の大義名分の有無も大事な気がする。

以上、前半は備忘も兼ねて色々あった3週間の考え整理、個人レベルの話は良く感じてた事を改めて自戒として。

亡くなられた方々のご冥福と、現在も被災されている方々や色々な現場で尽力なされている方々のご健康を祈ります

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