2023-02-07

「裕福な世界とその指導者たちが、グローバル・サウスのフラストレーションや怒りの程度を真に理解しているとは思えない」とグテーレス事務総長スピーチで述べた。

なぜグローバル・サウスの人々は先進国に怒っているのか。

植民地支配歴史だけじゃなくて、その時代から現代まで続く固定された格差のせいだ。

インターネットで誰でもそれを見られるようになって、よけいにヘイトは高まってる。

先進国に住む自分たちより圧倒的に裕福な人たちがジェンダーだの労働者権利だのを世界の終わりのように叫んでいるのを、先進国に住むわれわれがこの国に生まれてよかったと声高に言うのを彼らはどういう気持ちで見ているんだろう。

人種による格差性別職業IQ学歴ルックス世界はいろんな格差があるけど、どこの国で生まれたか国籍による格差はいちばん大きく、そしてほとんど踏み込まれていないゾーンだ。

近年、権威主義体制になる国も増え民主主義の敗北などいわれて久しいが、先進国押し付けられた価値観を受け入れても何十年もメリットがなく後進国永遠に後進国だったんだから、彼らが世界を変えたくなるのは当然だ。

こんなこというと、先進国後進国に多額の援助を行ったとか、いくら支援しても無駄だったとか、彼ら自身のせいという人もいる。

でも後進国がずっとこの序列を変えられなかったのは彼らのせいではない。

民族内、あるいは民族間で対立を煽って支配やすくするというやり方を過去先進国世界中にばら撒いたし、現在もまだやっているせいだ。

先進国はそうやって後進国が力をつけるのを防いできた。

強い政治家が現れれば先進国諸国最初は利用するが、力をつけて邪魔になれば、それに対立する少数勢力正義として扱い、軍事的経済的支援をして、邪魔者の力を削ぐ。

その政治家正義か悪かも、対立勢力正義か悪かも関係ない。

どれだけ残虐非道ならず者集団でもテロリストでも敵の敵は味方

自分に都合がよい側を正義として扱うだけ。

今のウクライナ大国狭間で双方の干渉を受けて分断された結果だ。

EUは“グリーン”という大義名分を掲げ独自規制を作ろうとし、アメリカもまた同盟国以外をEV市場から締め出すなど、経済をどんどん閉鎖的で排他的にしようとしている。

ブロック経済世界さらに分断し、それはいずれ戦争につながると、二度の大戦を経てもなぜかまだ分からない。

アメリカ正義面して中国を目の敵にしてるのも、この序列を変えられるゲームチェンジャーの出現に恐れ苛立っているだけだ。

急速な経済成長を遂げる中国環境汚染がひどいと批判するアメリカの人々は、一人当たりの温室効果ガス排出量がアメリカ中国の倍以上だとは知らない。

過去100年、地球人間が住めない星に変えてきた先進国が、なぜそう偉そうなこと言えるのか、不思議でならない。

アメリカの言うことを真に受けて、日本台湾韓国も、中国の力を削ぐための少数勢力として自分から利用されようとしてる。

第二次世界大戦以降、資源のために(次はおそらく半導体のために)世界いちばん戦争を仕掛けて人を殺してきた国がウクライナという白人国家が困ってるときだけ正義ヒーロー面してるバカバカしさに、多くの国は白けている。

イスラエルパレスチナに、今のウクライナへ侵攻したロシアのように(あるいはもっと不条理に)侵攻を始めて50年以上、パレスチナを虐げ続けているのは私たち先進国だ。

パレスチナ国家として承認している国は138か国、人口でいえば世界の8割以上を占め、対して承認していないのは日本アメリカ韓国カナダEU諸国オーストラリアニュージーランドといった先進国ほとんど。

それが私たちの信じてる正義だ。

ダボス会議でのグテーレス事務局長スピーチ先進国はかみしめなければいけない。

中国アメリカ対立も、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も、もちろん大きな問題だ。

でもそれだけじゃない。

問題はこの世界にずっとたくさんあった。

あれがなければ世界幸せだったなんて、絶対に思っちゃいけない。

世界にはずっと虐げられ飢え殺し合い嘆き憤っている人たちがいた。

元に戻って現状維持できたらハッピーエンドじゃない。

この国に生まれてよかった。

このことばの後ろにある部分に目を向けなければならない。

なぜよかったと思うのか、よかったと思えない人たちの存在想像できているからだ。

この国に生まれてよかったということばの向こうから、無数の目がこっちを見ている。

それを知りながら、先進国無視している。

もちろん日本先進国側だ。

白人国家集団にいつまでしがみつけるか分からないけれどね。

私も日本人だし、日本こちら側にいることを批判するつもりはない。

実際しがみついていたほうがメリットが大きいうちは、しがみついているべきだ。

ただ誰かにとって自分たちが悪かもしれないという事実認識していようよ。

こちら側が絶対的な正義だなんて思い上がりはやめよう。

覇権を狙うことすらできないほとんどすべての国がそうであるように、日本は一国で独立を保つことは難しい。

大国狭間で、右を見て左を見て、どちらに対しても駆け引きをしながら、どちらに対して多少の妥協が求められる立場だ。

でも、一方の正義を盲信し、尖兵として利用されるだけの存在で終わってはいけない。

アメリカ中国インドEUか今後どの大国覇権を得るかは分からない。

多面的俯瞰的世界を見て、多数の正義を知り、どの正義選択するか考えよう。

選択肢はきっとほかにもある。

  • うむ

  • あのお、グローバルサウスってなんすか

  • 民主主義対専制主義なんて対立構造はこちら側が正義だと思い込んでいる民主主義側の視点。 逆の視点で見れば、過去100年富を独占し自らの利益にならない世界中の人々を虐げ殺してき...

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