2020-10-04

後宮大奥、あるいは役者アナウンサー

今年になってから破竹の快進撃を続け、今やVTuber大手事務所一角になった、ホロライブ不祥事が収まらない。

一番悪いのは事務所運営方針で、儲け話に目端が利く反面、コンプライアンス法務権利関係に対してあまりにも暗く、迂闊で後手後手というのを今まではツッコまれていたが、ここに来て配信者に採用方法にも少なから問題があるのでは?という状況になりつつある。


聞けばニコ生ツイキャス配信経験者や、最近だったら他の事務所でのVTuber経験者であれば、それを聞きつけたホロライブスカウトが来るらしい。

まり、「人気ある配信者」を一本釣りしていると。

これが一昨年くらいの、当時から大手だったにじさんじとかと比べたら小ぢんまりした事務所に過ぎなかったホロライブであれば、「弱者の戦略」として大いにアリと思える話ではある。

採用された配信者も、小さいからこそ色々自分のやりたいことを自由にやれただろうし、白上フブキはそんな環境頭角を現したタレントと言えるだろう。

あるいは大手に採ってもらえなかったとか、声優アイドルとして表舞台に立てなかった負い目や悔しさをバネに、ひたすら自分の強みを模索し、のし上がるモチベーションにした配信者もいるはず(おそらく湊あくあはそういうタイプだと思われる)。


しかし今や見事にブランドイメージ確立してしまったホロライブに入りたい人なんて、最初から稼ぐ気満々の「プロ勝負師」みたいな手合がほとんどだろう。

そして勝負師というのは、言い換えれば「勝つために不要ものを削ぎ落とし、捨ててしまった人たち」とも言えるのだ。

なぜ「クリーンファイター」などという単語があるのか、「芸人100点、人間0点」などと弟子にまで揶揄された落語家がいるのかという話でもある。

そういう今のホロライブが何に例えられるかと考えると、「美貌」さえあれば誰彼構わず召し上げた、昔の後宮が挙げられるのではないだろうか。

そんな女性集団女性だけで統率するのは困難だったためか、「女に手を出したくとも出せない男性官僚」すなわち宦官が大活躍する運びになったと。


そんな宦官は、中国からヨーロッパまで、いわばユーラシアに遍く分布していたのだが、日本にだけはなかった。

というのも、日本女官は平安の昔から江戸時代大奥に至るまで、「帝/上様の伴侶として恥ずかしくない、最低限の家柄と教養を持ち合わせている」こと、今風に言えば「上級国民女子であることが、美貌以上に絶対条件だったためである

いわば医者弁護士の娘しかいない私立一貫校みたいな、良い意味で均質化した集団なので、女性だけで十分まとまったのだろう。

からというわけではないが、今後ホロライブが生き残る道があるとすれば、そういう歴史に学ぶことが求められる気がしている。

とはいえ、それは結局、ナレーションアナウンスにおいて、高卒どころか中卒からでもなれなくはない役者殆ど参入できず、高学歴かつ徹底した社員教育を受けた局アナ系ばかりが仕事を取っていくみたいな話であり、また一つ格差を見せつけられる結果になるだけの気がしなくもないが。


そんなことを思わせる好例が、ほぼ同時期にデビューしたホロライブ5期生(ほろふぁいぶ)と、にじさんじ世玲音女学院(セレ女)である

今の所、チャンネル登録者数・同時接続数・そして恐らくはスパチャ総額のいずれもほろふぁいぶの圧勝なのだが、反面デビューから半月足らずでのメンバー脱退や残ったメンバー炎上により、相当にイメージ毀損してしまっている。

一方のセレ女は、一応「大型新人」というゲタがあるものの西園チグサがチャンネル登録者10万人を突破したり、他の4人も興味深いキャラ趣味嗜好で、地道にファンを獲得しつつある。

というわけで、ここまで読んで興味が湧いた人のために、比較用に双方の配信者の「みんなのリズム天国」実況配信リンクしておく。

両者を見比べると、人気最下位レース常連であることや優れたリズム感という共通点以外にも、色々考えさせられる。

見た人はとりあえず、感じたことをトラバブクマに書いてもらえると幸いである。

  • Vの中の人なんて消費期限切れたコンカフェ勤めや生主崩れを拾ってくるものであって 高学歴や良家の子女なんかとは程遠いんだけど? 現実見ようよ

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