2018-06-10

是枝監督の件は多くの人に誤解されすぎ

http://www.kore-eda.com/message/20180607.html

Twitterとか見ると変な部分に突っかかって是枝監督に怒りをぶつけてる人が多い。

多分元の文章をまともに読んでないせいだと思うので、きちんと整理しておきたい。

祝意」ってなに?

一般的には「喜びを祝う気持ち」のことを指すけれど、文脈を見ると

国会参院文科委員会野党議員が「(是枝に)直接祝意を表しては?現場をとても鼓舞する。総理に進言を」と文科相に問いただしているやりとりを目にし、更にその後「林文科相文科省に招いて祝福したいという意向を示した」と伝えられたとNHKニュースで目にしました。

実は受賞直後からいくつかの団体自治体から今回の受賞を顕彰したいのだが、という問い合わせを頂きました。有り難いのですが現在まで全てお断りさせて頂いております

まりどこかに呼ばれて表彰、みたいなことは断るよ、ってだけの話なんだよね。

是枝監督は「おめでとう」を受け入れられない人?

デマ

実は受賞直後からいくつかの団体自治体から今回の受賞を顕彰したいのだが、という問い合わせを頂きました。有り難いのですが現在まで全てお断りさせて頂いております

顕彰の問い合わせ」に対して「有り難い」って書いてあるじゃん

何を勘違いしたのか

から仕送り貰って、大学卒業したり優秀な成績残した時に親からおめでとうと言われた際に「親から言葉は受け入れない」とか言ったら批判されるよね。

からの「おめでとう」を断るのがカッコイイとか、それが許されるのは反抗期まで。 成人でもみっともないと言われるのに、還暦近い人がそんなの言うとか流石に度を越している。

から給料貰っておきながら、国家も歌わず日の丸に敬意を示さないどっかの教員連中も同じ精神構造なんだろうね。いつまで経っても反抗期の子供なんだよ。

ママからのおめでとうを受けたらマザコンと思われママの言う事何でも聞くと思われるのが嫌だから、って感じですかね。


こういう感じで、ツイッター上は変にひねくれた発言が多い。

親と子供関係に例える人なんか特に多いが、その例えは明らかに間違っている。

文化庁は親ではないし、お金の出処は税金または文化庁への寄付であって"親"が汗水たらして得た金ではない)

から何らかの助成をもらっている人間が、公権力批判するのはいけないこと?

まず、「告発目的とした映画ではない」と発言していることは知ってもらいたい。

この「公権力批判」というもの。人によって想定してることがぜんぜん違うんだけど。

公権力のもの否定する」というようなアナキスト思考ならともかく、「社会問題点を指摘する」レベルのことは独裁政権以外なら誰だってやっているよね。

以下の文にあるように、是枝監督が「映画を撮りながら考えていたこと」は「それほど目新しいものではない」。

単身者孤立」とか「自己責任論」とか、多くの日本人がすでにテレビ新聞ネット上で共有している。

助成金もらっているからってこのレベルのことも言ってはならない、なんてことはないはず。

取材の中で「何故社会からこのような“不可視の”家族が生まれると思うか?」と作品の背景としての社会的、政治的状況を聞かれた。その告発目的とした映画ではないことを前提に自分の考えを述べた。あくま私見としてではあるが。今回僕が話したのは「共同体」の変化について、であった。日本地域共同体が壊れ、企業共同体が壊れ、家族共同体三世代が一世代単身者が増えて脆くなっている。この映画で描かれる家族のひとりひとりはこの3つの共同体地域」「企業「家族」からこぼれ落ち、もしくは排除され不可視状態になっている人たちである。これが物語の内側。そして孤立化した人が求めた共同体ひとつネット空間であり、その孤立した個を回収したのが“国家主義的な価値観(ナショナリズム)であり、そこで語られる「国益」への自己同一化が進むと社会排他的になり、多様性を失う。犯罪社会貧困が生むという建前が後退し、自己責任という本音世界を覆う。恐らくあの「家族」はそのような言葉視線によって断罪されるだろう。…ということも話した。これが背景。これは『映画を撮りながら考えたこと』という拙書でも既に述べている考え方である。まぁそれほど目新しいものではないだろうことは自覚しているが。

http://www.kore-eda.com/message/20180605.html

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