2017-04-02

元女オタク友達の話

仲のいい友達がいた。

の子とは同じアニメ好きで、お互い腐女子だったのでよく語り合っていた。

一緒にグッズを買いに行ったりお互いの家で本を読んだり、楽しかった。

私はそういったことが語れるような友達も少なく、その当時は人見知りで自分さらけ出すようなこともできなかったから、こうして話せる友達いたことが嬉しいかった。

の子のことをAと呼ぶことにする。

Aはもとからアニメが好きだったわけではなく、もともとはジャニーズの某グループが好きだったらしい。

しかしAはふとしたきっかからとある戦国武将ゲームにハマり、それ以来ジャニーズを追うのはやめてアニメ好き腐女子になったのだという。

この当時の自分のことをAは「イケメンにキャーキャー言ってた自分黒歴史」とか「今の私が1番嫌いなタイプ人種」と言っていた。

しかし、Aの親はアニオタになった娘をあまり良く思ってはいなかったらしい。

からかはわからないが、Aは身なりにとても気を使っていて「見た目だけは私の1番嫌いな人種(=クラスの中心にいそうな女の子)と思われたい」と言っていた。

さらにAはとあるバンドの大ファンだった。

新しく発売されたCDはもちろん、自分ファンになる前のもの中古CDショップを回って探し、今までそのバンドが発表したCDはほぼ全て持っているという。

そのバンド基本的にはテレビ出演をしないバンドだったので、主題歌などに使われることでテレビや街などでそのバンドの曲が流れるのをとても喜んでいた。

やがてAとは違う進路を歩むことになったので会うことも少なくなり、たまに携帯で連絡をとるくらいになった。

ある時Aからとある2.5次元ミュージカルにハマった、とメッセージがきた。

私はその当時、2.5次元ミュージカルについてはあまり詳しくなかったのでよくわからなかったが、なんでも好きなキャラクターを演じている俳優ファンになったらしかった。

それから、Aの生活は2.5次元ミュージカル中心になっていた。

Aはアニメも見なくなり、舞台俳優を追いかけて忙しそうだった。

でもそこから「今まで声優さんかっこいいとか可愛いとか言ってたけど、舞台俳優見てたら目が肥えてあんなの全然なんとも思わなくなった。」というように、今まで好きだったもの否定するようになった。

さらに「舞台見に来るアニオタデブスの気が知れない」というようなことまで言うようになった。

私は過去ジャニーズにハマっていた自分黒歴史と呼び、1番嫌いな人種とまで言っていたAがイケメンにハマっていることが意外だった。

から「あのAが舞台俳優にハマるなんて意外」と言った。

しばらくしてからAは私と共通オタクの友人Bと縁を切りたい、という相談をしてきた。

LINEプロフ画像をみて、よくあんなクソダサアニメオタクみたいなのを世間に晒せるな、と思って不快だったと言っていた。

他にも様々大きな理由があったのだが、私は2次元が最高!3次元なんかいらない!という態度をとっていたAが、その私と共通の友人がアニメが好きであることをここまで言ったことが衝撃だった。

Aが2.5次元ミュージカルにハマって半年も経っていなかったと思う。

AとBはAが一方的に不満をぶつける形でもう縁を切ったようだった。

ようだった、というのは私がBの様子を見て得た感想なので実際どうだったのかはわからない、ということだ。

Bと縁を切ったあと、私はAに言われた。

あなたがあのAが……みたいな反応したの嫌だった。私もともとジャニオタアニメなんか一切興味ないクラスの中心にいるような奴なんだよ?」

Aは、自分アニメオタクでありながらもダサいとか根暗と言われがちなこ趣味をよく思っていなかったのだろう。

そして3次元2次元が混合している2.5次元ミュージカルにハマったのだと思う。

作品内ではキャラクターだが、彼らは俳優。Aの親も舞台俳優なら、と安心していたようでAにとってはちょうど良かったのだ。

自分はお前たちとは違ってダサくなんかない。

おしゃれで、実在するイケメンが好きでお前たちのようなキモオタとは違う。

そんなふうにも聞こえた。

私はAとしばらくやりとりしてから、Aの連絡先を消した。


この前、本当に偶然AのSNSアカウントを見つけてしまった。

Aの好きなバンドがついにテレビで曲を披露するという。

Aは

「今までなかったかテレビ出演は嬉しいけどアニメアイコンの奴らがファンの皆さん心中お察しします、とか言ってるの何?アニメアイコンのくせにバンドのこと語るなよ。曲なんか全然知らないんだろうしメンバーのこともわかってないくせにファン名乗っていいんだ!初めて知った!知らなかった!」

というようなことを投稿していた。

コンテンツ(生身の人間コンテンツ、と称することは失礼と解った上で使わせていただく)を潰すのは排他的ファンなのだ、ということを目の当たりにした気がした。

たとえファンがブスでも、デブでも、ダサくても、楽しんでもらえることやより多くの人に向けて自分表現できることが彼ら作り手側の喜びなのではないかと私は思う。というか思いたい。

結局これは私がAに見下されたことに対する愚痴なのだ

私の記憶の整理のために文に書き起こし、せっかくなのでネットの海に放り出すことにした。

趣味で繋がって趣味の話しかしない友人を持つ人への何かしらのヒントのようなものになればいいと思っている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん