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2023-08-19

https://anond.hatelabo.jp/20230819095520

当方大学院メディアの影響を社会学的枠組みを用い統計学的手法研究していた。師事していたのはその道の大家。(※大学名とか教官名は特定防止のため伏す)

まあ出来は壊滅的に悪かったんだけどね…

 

まず言っておくと、強力効果論のようなある特定メディアの影響モデル「だけ」をつかってメディアの影響をすべて測ることは不可能

もちろん今も研究は多々行われているけど、メディア環境自体激変を続けていることなから今後も影響評価に対する統一的知見が出る確率はほぼない。

仮にそういう理論を完成させたら即東大情報学環あたりのポストはゲットできるはず。

 

実際の研究においては調査の都合上ある特定議論に沿って分析を進めていかざるを得ない。

仮に複数議論を包括したうえで研究を行う場合特に実際にデータ収集して行う調査においては研究に沿った形で逐一面接項目や質問項目を作らなければいけない。

そうなれば項目も膨大になってデータ収集される側の負担も大きく増す。負担が大きい調査を薄謝で行ってくれるような優しい人間はそんなにはいない。

結果統計学的意味のあるデータが集まらず、満足いく分析ができない可能性も大きい。

メタ分析に関してならできなくもないといいたいけど、その対象調査データだったりするので調査の段階で軒並み躓くとメタ分析意味も薄らぐ。

あと、メディアの影響に関してはその人が置かれている環境属性によっても大きく異なってくる。

その場合、異なる環境の人同士を十把一絡げにまとめて単一尺度分析することが妥当なのか?という問いもでる

(※先述の通り実際の研究では「大人の事情」でそうせざるをえないことが多いが…)

 

>「水からの伝言」と違うの?

まず条件を統制して研究することが可能自然科学と、それがほぼ不可能人文科学研究本質的に異なる。

当然理論再現可能性に関しても限定的になることは留意しなければいけない。

ただ、それを理由に「理論妥当性がない」と言いだしたら人文学見地はすべて棄却せねばならないことになる。

 

元のエントリ一見専門用語をちりばめるなどして「それっぽく」見せているけどよく読むとツッコミどころしかないの。多分ネット耳学問だけで情報を知った半可通だからかな?とは思う。

もちろん俺もどうしようもなく不出来な院生だったし人のこと偉そうにいえんがな。実際こんなサビたなまくら未満の論駁しかできないわけだし。

自分も浅学非才だし、もっと本とか論文を読んで知識をつけなきゃなとは常に思っている。

 

とりあえず元の増田にはこの教科書的2冊を何度も読んで基礎から学んでほしい

東大出版会の『社会情報ハンドブック』も入れようと思ったが、あれは内容はいいけどかなり古いのでね…改訂版出して)

 
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