はてなキーワード: アカプルコとは
砂漠の逆光
潜入者の素顔
蝶を射つ!!
高度7000メートル
黒い肌の狙撃者
帰ってきた標的
やはりタイガーマスクWが一番面白かった。他にも面白い作品はあれど、何度も繰り返し見たのはこれだけ。
それまでの半年と合わせて9ヶ月分のドラマの積み重ねと、実在の新日選手と、旧作。そういう三段分のゲタがあったのだから、他の3ヶ月分の厚みしかないアニメと比べて格段に面白く感じてしまうのは当然とも言える。まあその点はズルいよな。
それでもまだ物足りない部分はある。そのほとんどは俺が観客マインドでこのアニメを見ていたため、劇中でマイクパフォーマンスのシーンがほぼ無いことでタイガーマスクに感情移入をしきれていなかったことも大きい。来間記者が作中世界でタイガーやGWMがどう受容されているのかって記事を見せてくれるものと思っていたからその点でも肩透かしを喰らってしまった。
他にもタイガー(ナオト)にベルトを巻かせてあげて!とか、もっと実在新日レスラー出して!とか、GWMのケビン以外の若手にも出番を!とか、色々不満はある。
しかしそんな不満を吹き飛ばしたのはやはり試合のシーンだ。第37話『さらば虎よ』のファイナルウォーズ最終戦の作画と演出が素晴らしいがゆえに、俺は全ての不満を忘れてしまっていた。あんなもの、アニメ作画の暴力だ。あれを見せられたら最高だとしか言えないじゃないか。
現実のそれと違い、カメラを自由に配置し動かせるが故の迫力ある投げ技や打撃のコンビネーション(もちろん背動や効果もすごくよかった。かっこよさ激増)。
技の選び方もいい。タイガーマスクWがフェニックススプラッシュを繰り出したのがね。もうね。これは後のシーンにも効いた。うん。
猛虎重爆もサマーソルト→ダブルニードロップからコードブレイカーに行くときに、フランケンシュタイナーのように回転するという、アニメならではの常識外れな技として生まれ変わっていた。この改良にも感激。せっかくの必殺技をお蔵入りにしない。えらい。
そしてダークネスホールドと横入り式タイガーファングで腕を痛め付けたことでサクリファイスのダメージを軽減。最後は正調のタイガーファングでトドメ。ザ・サードもタイガーファングを躱そうとするも、左腕のダメージから動きが鈍って直撃。ダークネスホールドがただダークの技も出しましたよではなく、腕責めの一貫。それが良かった。
作画を担当したアニメーターの個性が強く出ていたように見えたのも印象的だった。あの試合には何人かタイガーマスクWがいたが、いずれも強さとかっこよさを兼ね備えた最高のプロレスラーだった。イチオシはやはり最後のタイガーファングを繰り出したときのタイガー。
左足を高く上げたところでキラーン演出はやっぱりかっこいい。ベタだけどそれほどに使われるだけの魅力がある演出。
あのね。こんなもん見せられたら、もう文句なんか言えない。大満足ですよ。ここまで9ヶ月追ってきて良かった。本当に良かった。
それからエピローグ的なパートでのオカダと飯伏のシングルマッチ。タイガーマスクWに飯伏幸太が登場だよ!ゴールデンスターが!アニメのタイガーがフェニックススプラッシュ出した回で!CV本人!G1出場決定のタイミングで!
そしてオカダに「久しぶりだな」と言われた飯伏は「そうでもないですよ」。まあ確かにこないだやったしそうでも……いや待て!飯伏は久しぶりのはずだろ!?あくまで飯伏は!と現実のプロレスと混同して大興奮してしまった。GWMの観客席に見たことある人が何人もいるー!という興奮から数十秒でこれだ。殺しにきている。
最終話『仮面タイガースプリンガー』も番外編のようでいて、やはり最終話だった。
これまでスプリングタイガーとしてこっそりリングに上がったり、隠れてトレーニングを続けていた春菜ちゃんが、女子レスラー「スプリンガー」として本格的にデビューする。『さらば虎よ』が男達のドラマに決着をつけたなら、『仮面タイガースプリンガー』は今作に登場した女性キャラクター達の活躍の集大成だ。
その分二人のタイガーマスクWのその後は、ほんのわずかしか描かれなかった。しかしその中に衝撃的なカットがあった。
ラストシーン。メキシコへと渡ったナオトの対戦相手として青コーナーに立つ相手は「ミスターNO」。前作にも登場した虎の穴の怪奇派レスラーだ。
虎の穴は最高幹部にしてその象徴であるザ・サードが敗れこそすれど、全滅はしていない。GWMも日本を撤退しただけ。世界には虎の穴支配下のレスラーはまだまだいるだろう。
そしてメヒコもGWMの侵攻を受けていたことは、エル・カラカスの引き抜きや第3クールの内藤の発言などで言及されていた。
そのアカプルコのマットに前作に登場したキャラクターの姿形を引き継いだレスラーが登場した。
つまり虎の戦いは終わっていないのかもしれない。
こうしたその後のドラマを想像させてくれるのも、とても嬉しい。
藤村『さっきビルの隙間の結界くぐったでしょう。ここらはもう魔女のテリトリーなんですよ~。』
鈴井『そこらじゅうにちっこい化け物がいるね。』
鈴井『ほら前見て。開けた場所に出てきたよ。』
大泉『おいおい、これはもうなんだい、お菓子だらけじゃないの。隅っこにあるずんだ餅なんてのは大好物でしょうミスター。ほら、さっさと食べなさいよ。』
藤村『あそこのながーい椅子に座っている飴ちゃんみたいな頭の人形が、魔女…のはずです。』
大泉『はずってなんだい君。調べてないの?』
鈴井『さっき車で確認したよね。』
大泉『君が言うことはね、いちいち当てにならないんだよ。わかった、じゃあみんなで倒そう。ほら、嬉野君、早く変身して。』
大泉『当たり前でしょ~。僕はアカプルコに行くんだと思って海パンしかもってないんだよ。戦うんだったらもっとちゃんとした服買ってくれよ。』
藤村『じゃじゃじゃあ、わかったわかった、まずはね、嬉野先生にビシっと突撃してもらって、そのあとビシッと大泉さんに契約してもらって、ビシッと魔女を倒しましょうか。』
藤村『そんなもんみりゃわかるでしょ、ミスター。あんたは壁につっかかってるアップルクーヘン食べてなさいよ。』
藤村『あんたテレビなんだからちょっとは発言は慎みなさいよ。』
鈴井『やばいって。近づいてるって。口開いたって。』
嬉野『あぁぁぁ。』
大泉『君は想定外ばっかりじゃないか。想定内のことなんて一度でもあったかい?』
藤村『大泉さん、早くしないと。ほら、ここに契約して。ビシッと魔女倒しなさいよ。』
大泉『藤村君、君はね、出会ったそばから、契約しなさいよ、早く契約しなさいよ、
すぐ契約しなさいよ、って僕をこの魔法少女にすることしか頭にないだろう?』
大泉『いやに決まってるでしょ。魔法少女なんて、なってみないとどんな武器持つかわからないんだよ。弓とかだったらいいけど、旧石器時代の斧みたいな、こう敵を叩く度にね、縄がボロンとはずれる出来損ないの武器しかもたせてもらえなかったらね、魔女狩りどころじゃないんだよ。』
鈴井『まずいよ、こっち来てるよ、早く逃げないと!』
藤村『うるさいよミスター。あんたはそこのあんこ入りのおやき食べてなさいよ。』
あんこ入りのおやきを食べているミスターをよそに、遅れてやってきたOnちゃんにより、無事魔女は倒された。
終わり。