2023-10-13

三大どこで知ったか全く覚えてないがいつまでもたまに思い出す俺の好きな小話

1.

戦国時代の話。

とある武家で位の高い人たちが宴を開いていた。

奥方は誠意を尽くしてもてなそうと料理をせっせと御膳に運んでいた。

酒が進み、気分が高揚してきたとある武家奥方にこう、尋ねた。

とき奥方様、この世で一番うまいものはなんであるか?」

その問いに奥方はこう、即答した。

「それは”塩”でございます

一瞬の静寂の後、周りは大爆笑

「はっはっはっはっ、奥方様、それはないでしょう 今私の前には肉や鯛や漬物といったうまいものが沢山並んでおる それを差し置いて、”塩”などとは… はーっはっはっはっはっwww

どんなに周りに笑われようとも、当の奥方はにこりとしただけで何も反論しなかった。

時は流れ、再度その武家で宴が催された。

前回の宴の際に出された料理が殊の外うまく、評判になっていた。

お呼ばれした面々たちは今回の料理もさぞうまかろうと期待を込めて口に運んだが…

あれ、なんか、全然おいしくない。

というか、何の味もしない。

困惑した一人の武家奥方にこう、尋ねた。

奥方様、なにか、、、今回の料理は、、、その、何の味もしないであるが?。。。」

その問いに奥方はこう、静かに答えた。

「それは”塩”を使わなかったからでございます

一瞬の静寂の後、周りはどよめいた。

「”塩”ですか??」

はい、”塩”でございます

奥方はにこりとしながらも全く笑っていない目でもって武家の一人を射抜きながらこう続けた。

「前回、貴方様は”この世で一番うまいものはなんであるか?”とお尋ねになりました。

私はあらゆる料理の下味をつけるのに欠かすことのできない”塩”と答えましたが、

貴方様はたいそうお笑いになられ、そんなはずはない、と仰られました。

ですので、今回は”塩”を一切使うことな料理した次第でございます

ぐぬぬ

武家の面々はただの一言も言い返せず、ただただ平謝りしたそうだ。

2.

アメリカとある歯磨き工場の話。

その工場では一ダース12個)分の歯磨き粉を段ボールに詰めて出荷する決まりになっていた。

つめるのは機械自動で行われていたが、たまに機械がきちんと動かず、空箱のまま梱包され出荷され、

顧客からクレームを受けるという不具合が度々発生していた。

この対策をするようにと社長から大号令がかかり、関係部署からエリートが選出されたタスクフォースが結成され、

数か月に渡るの打合せの後、数千万円の投資をして自動重量検知器を製作した。

ライン流れる段ボールを逐一計量し、重量が規定に満たないものがあるとブザーが鳴ってベルトコンベアが止まるという機構だった。

効果は上々だったが完璧ではなかった。

重量を正確に測りきれず、きちんと一ダース入っているのにブザーが鳴って止まることが度々あった。

しか空箱顧客先に送るよりマシかと、特に何の対策もしなかった。

投資効果を算出するため、担当の間接部門では装置が月に何度の検知をしたのかを集計していた。

導入当初は月に5~6度の検知をしていたが、3ヶ月を超えた辺りから全く検知をしなくなっていた。

たまたまか、そう思ってそのままにしていたが、さら半年すぎてもただの一度も検知していないため、

これはおかしいとついに製造現場へ確かめに行った。

そこで間接部門担当者は唖然とせざるを得ない光景を見ることになる。

社内の超エリートが数か月の時間と数千万の金を投じて導入した自動重量検知器のスイッチが、切られていた。

替わりにあったのは、現場で働く従業員の暑さ対策で置かれていた業務用の扇風機

その風を梱包済みの箱に向けていた。

「これは一体どういうことだ??!」

狼狽しきった間接部門担当者は現場従業員に訊いた。

「あの機械さ、しょっちゅう誤作動で止まってこっちは仕事にならんのよ!

扇風機の風当ててれば中身入ってなかったら空箱吹き飛ぶからこれで十分なんだよ!」

その後、自動重量検知器を導入した責任者はこの会社を去ることになった。

あと一つあるんだけど、それよりも君のお気に入りの小話、聞かせてくれない?

  • 野ざらしになってた遺骨を弔ったら楊貴妃の霊がお礼にやってきて夕べはお楽しみだった話を聞き その辺の遺骨を探して弔ったら夜な夜な張飛が来てくれた話

    • 妃(かわいい)だと思ったら飛(ゴリラ)だったの、かわいそう いやあ昨夜はお楽しみでしたね。

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