2023-01-16

脳のメモリが小さすぎて生きるのにどうしようもない

他人と話をするとき話題になっていることまでにしか意識が割けない。

どうしてその話題を出したのか? その時の表情はなにか? 声色はどうか? 周囲の状況は? 会話に伴う様々な情報を一切シャットアウトし、ただ話題となった問題を頭の中でぐるぐると回し続け、環境を一切慮ることなく、ただ単純な入力に対して出力を吐き出す。

古い企業ということもあり、最近年功序列により上司としての立場に立つこととなったが、本当に仕事が難しい。特に、部下から挙げられる書類をうまく見ることができない。

自分他人データを見る時、基本的には『業務上問題のないプロセスを果たせるかどうか』まではなんとかチェックができる(できていると断言できるほど知識があるとも言い難いが)。でも、そのチェックソフトを走らせている間、例えば『誤字脱字はないか』『上司はどの部分を気にするか』『外部から見て説得力を持たせるにはどうしたらいいか』というような、サブシステムなどは一切合切シャットダウンされており、これらを並行起動することが全く出来ない。

部下として仕事をしていたときにも、上司からはさんざんに文句をつけられ続けたが、視野の狭さだけはどうにもならなかった。『指摘された場所を訂正する』というプログラムを走らせては、『訂正した結果ズレるところはないか』や『訂正に際して追加のデータはどのように整理すべきか』というようなサブプログラムは一切頭の中に入らない。それらを走らせようとすれば、素敵なことにメインのプログラムが保存もままならぬまま強制停止の憂き目に合い、ひどいときは破損して再起動すらできなくなった(何を直せばよかったかすら理解できなくなり、指示を見直しても自分が何をしていたのかわからなくなるのだ)。

自分能力鑑みる場合、とにかく目に入るところにチェックリストを設けるであるとか、酷く物理的な方法ギリギリのところを保ち続けてきた。しかし、管理職として幅広い処理を求められる事となった結果、日々行われる細かいルーチンから数ヶ月や年単位対応を要するようなレアケースまで、単なるチェックリスト管理するチェックリストすら作れないほどの幅広い業務量に苛まれた。もはや、自分が今何をしていて、何を見て、何を読み、何と話してどうすればいいのかわからず、ただ、さらなる上司から指示があった作業をひたすら下に受け流すがだけの毎日を送っている。

そこに計画性と呼ぶべきものは皆無。時間の許す限りに業務に向き合っては強引にテトリスを続けていくように、ただ反射するように仕事を続け、そこから学ぶことなど何もない。無論、学ぶことができる人はいくらでもいるのだけれども、私には学ぶために整理をするだけのワーキングメモリはなかった。

どれだけ仕事Aと仕事Bが似ていても、私はただAという仕事を行ったという過去仕事Bを行ったという過去を繋げて連続して覚えてなどいられない。記録を作るにしてもフォーマット斉一性すら維持できない。記録を作ったとしてもそれを後になって探すこともできない。ただただ目の前に来た仕事を、目の前に来たなりに捌いてきただけだ。

自分には人の上に立つだけの能力などないし、私は今の御時世に生きていくだけの素養がないと、ひしひしと感じる。

それでも結局、明日のことも昨日のこともまともに考えられない私は、ただ、何を考える余裕もなく、次に落ちてくる棒を、とりあえず目に見える隙間に落とすだけの毎日を送ることしか、多分できない。

そうしていつか、ゲームオーバーの音が鳴る。

  • とても為になる文章だった 脳のメモリが小さいのかASDなのかわからないけど、増田によく似たあの人は何故あんな事してるんだろう、なんでそんな返答が返ってくるんだろうという疑問...

  • 自分も診断済みのASDだけど、わかるわ 『業務上問題のないプロセスを果たせるかどうか』のチェックを走らせたら、『誤字脱字はないか』のチェックを走らせて、次は『上司はどの部分...

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