2021-07-17

好きだったひと

自分性自認感覚っていうのが鈍すぎたのと、相手とのシチュエーションも特異で、こうなったんだと思うけど。

過去に一度だけ、Aという同性を好きになったことがある。

気付くのにかなり時間がかかった。

出会い高校だった。

発覚はのちにAに恋人ができたことがきっかけだ。

もう大学生になって少し経っていて、周りと比べると遅い方。

本人から直接聞いた。

素直におめでとうと言い、楽しく、お酒を交えてその惚気や軽い愚痴に相槌を打った。

自分にその時恋人はいなかったから、負けずに頑張らなくてはぐらいのことを思いながら別れて帰ると、だんだん胸のあたりがムカムカしてきた。頭も痛いし飲み過ぎだと思った。

翌日も治らず、二日酔いだと思った。

授業も身が入らず、食欲もなく、バイトでもよくミスをした。

1週間ぐらいしてらようやく調子が戻ってきて

バイトからの帰り道で、突然涙が止まらない。

ジブリ映画のような涙がどんどん湧く感じだ。

変な体調不良が、今度は精神的な方に回ったのか…壊れたなと思った。

なぜ泣き続けているのかも分からないまま、異常事態に思わず119番の勢いで友人に電話した。

起こったことを時系列で整理をし、電話で話しながらここでやっと気づく。

Aが好きだ。ずっと大切だった。

恋人報告のショックと自覚のショックで、身体的な症状が出ていた。

(恋をして胸が苦しいとかいうの、ドラマ漫画世界だけだと思ったけど本当なんだと実感した。)

好きだと気付いてハッピー、にはならなかった。

Aに相手ができたが為の自覚というのが、どんどん気持ちを暗い方に作用させた。

恋愛という土俵にのせられて、若い時分の、消費的な時間に身を投げ出しているような態度が堪え難かった。

記号で測られて、そのことに傷ついてほしくも、強かになってほしくもなかった。

Aという人間純粋な部分が揺らがないでほしかった。

純粋な部分を明け渡して、それが男女の恋愛の枠に入れられて、はみ出たものは「らしくない」と都合良くジャッジされてしまうことがとてもAを陳腐に扱う仕組みに思えた。

相手が代わろうと、いい人だと聞かされようと。

年数が経って、ある程度の自分経験値ができてまた会おうと。

その感覚は別枠で、しこりのようにずっと残って段々小さくなりつつも消えなかった。

男女の恋愛を認めないわけじゃない。でもAはダメ

自分相手に当てはまりたいわけでもないから、自分立ち位置もわからない。Aを好きなとき自分が男女のどっちの気持ちで好きなのか分からない。

それでは言葉にして伝えることができない。

伝えずにそのまま縛る術はない。

伝えても困らせるだけだし、好きになったことを否定したり、自分が異常というようにも思えた。

このまま苦しみながら自問自答し続けるのは酔狂だ。

いずれ結婚するときまで交友があって、

直接知らされでもしたら、もう耐えられないかもと思った。

一方的に嫌われるようなことを言って、もう会わないことを決めた。相当戸惑わせて、がっかりさせて迷惑をかけたと思う。

こちから連絡をしないと決めて蓋をした。

向こうからも連絡はなかった。

最後に会ったのは年号が変わるよりずっと前のことだ。

ちょっと前に結婚したことを人伝に知った。

当時がフラッシュバックしてちょっとしんどくなってしまったけど、意外と元気だ。まぁ会ってないからそういうものか。

あぁ歳をとったなぁ、こうだったかなと整理したくなったので書き殴った。若かったな自分

  • 前向きに生きて。 ふと気になったのは、同性とあったけどもしAの相手も同性だったら状況変わったのかな

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