家庭不満とセックスレスのストレスが大爆発し、アプリ使ってばかみたいに外でセックスしてる時期があった。
メッセージ交換して、話の通じそうな既婚者十数人と会った中、登山の帰りに汗まみれで現れるなど、ちょっとこれは……という人を除いた数人とセフレになった。
慣れてくるとナマでやりたがる男性、最初からナマでやりたがる男性、「唾液交換、する?」と持ち掛けてくる男性、性器の形が水風船のような男性、カカオでおじさん構文日記を送り付けまくってくる男性などなど、やっぱ一筋縄ではいかんな…と思わされることもよくあったが、まあなんとかやっていた。
(でも日記の送り付けはしんどかった。セフレにはセックスしか求めてないので、相手の日常とかどうでもよすぎて返す言葉がない。毎日スタバのなんかの写真を送ってこられても、コーヒーだなあとしか思わない)
そんな中、メッセージ交換ではまったく話がかみ合わず、恐ろしいほどピンとこなかったのに、成り行きで会うことになった人がいて、結局この人と一番長く続いている。
会ってみても話はそんなにかみ合わないし、いまだに恐ろしいほどピンときてないのだが、それは単なる性格の不一致であって、この人はセフレとして非常に見どころのある人だと感じる。
何目線って感じで申し訳ないが、なんというか、ごく自然に慎重な人だ。
たまに公共の交通機関を使って移動するとき、ICカードは使わず切符を買う。
コロナ前まではジムに通っていたので、そこで使ってるシャンプーやボディソープを持参。
慣れてくるとぺらぺら自分のことをしゃべりたがる人が大多数を占める中、この人はそうではなかった。
どんな仕事をしてるのか、住んでるエリアも職場があるエリアもまったく話さないし、こちらにも聞いてこない。
お互い既婚である以上、普通はそんなもんだと思うが、意外なことに、複数回会ってもずっと隙がなく口が堅いのは彼一人くらいだった。
自分からは積極的にしゃべらなくても、ガードゆるゆるすぎて会う前から本名・職場までわかってしまったり、中にはホテルで社員証放りだしてくるからこちらが見てられなくて、見えないようにそっと裏返さざるを得ないような相手もいたが、そういう粗相も絶対に彼はしない。
セックスもいたってノーマルで、何よりナマでやりたがったことが一度もない。
最初はゴムしてても、何回か会うとナマに移行したがる人も珍しくないが(アプリにいるような女がなんかの病気もってる可能性とか考えて怖くならないんだろうか)、自ら積極的にゴムを着用する姿勢を今に至っても崩していない。
次はいつ、次はいつと際限がなくなり困らされた相手とはちがい、この人はコロナにあわせ去年の3月から8月までは会うのを自粛。12月からはまた自粛している。
話の合うセフレ、セックスがいいセフレならほかにいた。でも、行動に抑制が効いていて安全だなと感じるのはこの人だけだったので、コロナ中断をはさんで、結局切れずに続いているのはこの人だけになってしまった。(多分コロナが落ち着いたら再開するので、続いているものとする)
この恐ろしい時期に無理やり会おうと持ち掛けてこないところもすごく好ましい。私だって、常にセックスはしたいが、コロナもらってまではしたくない。
抑制が効いた人間にはそもそもセフレなんていわれればもっともだが、否、こんな風に、慎重で自分を律する力のある人だけが、いろんな危機を避けながら大禍なく外で遊ぶことができるんだろうなと思うし、自分もそうありたいと思う。
前に一度間違って、夫のことを不倫相手(このセフレではない)の名前で呼びそうになったことがある。すんでのところでこらえた。
どんだけセックスが盛り上がってたとしても、私のことを名前で呼ばないセフレは、家庭でそういう間違いを犯すことも絶対にないのだろう。そもそも教えてる名前もお互い仮名ではあり、セックスの時に呼んだって微妙ではあり。
その状態でどうやってシラフからセックスに入っていけるのか、興味ある。何かが理性をオフするようなスイッチ作業があるの?