2020-08-06

ジャンルの神が会社の先輩だった

とうに旬を過ぎたジャンルに再燃したのが去年の年末だった。昔はちょっと絵を描いたりしてたけど今はもう読み専。

支部とかツイッターとかでいろいろ探して、なんとか推しカプを書いて(描いて)るひとたちを見つけることができた。わりと絵師さんが多くて、漫画よりも一枚絵とかが主流。その中で、ひとりの文字書きさんがいた。

何と言ったらいいかからないけど、とにかくすごく好きな感じの文章を書く人だった。心理描写とか情景描写が深くて、ぐっと物語に引き込まれしまう感じ。この人の作品では推しカプだけじゃなくてその周辺人物もすごく魅力的で、この人が原作を好きで、たくさんやりこんでるのがよくわかった。幸せな話もちょっと暗い悲しい話も、数日かけて貪るように読んだ。あーこういう人が神っていうんだなー、と思った。

その人のツイッターフォローさせてもらった。読み専なのでろくに呟いてないアカウントだったし一方通行だったけど。

フォローしたら、ちょうどイベントに向けて新刊準備中ということがわかった。推しカプの本を2冊か3冊出すと言っていて、私はめちゃくちゃ楽しみだった。イベントには数年行ってなかったけど、絶対に行こうと思った。

神(と呼ばせてもらう)はツイッターでもちょいちょい仕事ことなどを呟いていた。フォローしてすぐ、TLに出てくるタイミングが深夜ばかりだと気づいた。もしかして看護師さんとかなのかな、と思っていたら、どうやら何時間も時差のある国で働いているようだった。

イベントに出るために一時帰国とか正気の沙汰じゃないwww」みたいなことを呟かれていて、神ってすげえと思った。

イベント当日、私は喜び勇んで神のスペースに直行した。どうせ取り繕ってもキモオタなのは隠しようがないから、もう全開で神の作品が好きだとお伝えしようと思っていた。

スペースにはシュッとした感じの女性がいて、うわー神、実在した、イメージ通りだとか思った。なんかもう必死で、神の作品が大好きで、過去作品も何度も読み返していて、今回本を買うのがとても楽しみで、みたいなことを伝えたら喜んでくれたみたいだった。

家に帰って速攻で本を読んだ。めちゃくちゃよかった。自分でも気持ち悪くなるくらいの長文感想を送ったら、丁寧な返信を貰えた。ツイッターを見たら、神はあっという間に居住地へ帰っていったようだった。

それからしばらくして、コロナ禍の最中だけど私は仕事部署異動した。

今までは営業みたいなことをしていたんだけど、いろいろあって人事部に異動になった。最初仕事は、海外拠点に出向している社員の状況確認だった。とある書類を提出してもらうために、出向社員全員にメールを一斉送信して返信を待った。

その翌日、朝会社PCを立ち上げると何通か返信が来ていた。メールを開くと送信者の顔写真が出るようになっているので、へえこの人こんな顔なんだ、と思いながら一通ずつ確認した。そうしたら、何通目かで見覚えのある顔が出てきた。

神だった。

名前を見たら、人事部でもわりと有名な人だった。なんでも、数年前に出向して、3年くらいで帰ってくる予定でこっちも準備を進めていたんだけど、あまりに優秀なので海外拠点の方が離したがらなくて、出向が延び続けている人だった。

今の部署の先輩の一人の同期で、入社当時から超優秀で有名だったらしい。で、私の同期が一時期同じ部署で働いていたことがあって、話を聞いてみたらやっぱりすごく仕事ができる人だったらしい。めちゃくちゃ物知りで、部署ウィキペディア扱いされてたとか。

神は仕事でも神なんだ、と思った。

神は人の名前とか顔を覚えるのが苦手だとツイッターで言っていたので、私の存在認識されているかどうかは分からない。

超人ジャンルならともかく、こんな過疎ジャンルでこんなことがあるなんて世界は狭いなあ、と思った。

誰にも言えないのでここに書いておく。

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