初めてこういうものを書くので何から書き始めればいいのか良くわからないけれど、少し前の話をしたいと思います。
私はいわゆるノンセクシャルと呼ばれる性的指向を持つ人間です。
ノンセクシャルって何? という方のために説明させていただくと
非性愛(ひせいあい)とは、他者に対しての恋愛感情は有り得たとしても、恒久的に他人への性的欲求を持たないことをいう。 非性愛の性質を持っている人のことを非性愛者、またはノンセクシュアルという。略称としてノンセクともいう。
こんな感じです。人によって様々だとは思いますが、一応はこういう定義となっています。
それが私の性的指向です。
昔から、友達が誰かと性行為をしたと聞くたびに言い様のない不快感を覚えていました。友達からは、まだ子供なんだよ。とか、いつか本当に好きな人ができたらしたいと思えるようになるって、などという言葉をかけられることがほとんどでした。
そのときは私もまあそんなものなのかな、とそこまで真剣に考えるようなことはなかったです。
でも本当に好きな人ができて、そういった行為をしようってなったときにようやく何かがおかしいことに気がつきました。
好きな人に触れられているはずなのに、私が感じていたのは嫌悪感だけでした。彼が明確にそういった意図を持って私に触れていると思えば思うほど体は強ばりましたし、結局私の気分が悪くなってしまって最後まですることはできませんでした。
心配される方もいらっしゃると思うので明記しておきますが、彼が私にそういった行為を強要した事実はありません。2人で決めたことです。あと、過去に性的被害を受けたようなこともありません。
ただただ私が、相手が好きな人であったのにも関わらずセックスできなかった。それだけの話です。
今はそのことに不安感を覚えるようなことはなくなりましたが、当時の私はとても混乱していたのをよく覚えています。
世間ではセックスは当たり前のように、一種のコミュニケーションツールとして扱われています。私も年相応にそういったコンテンツに触れてきていました。
だからこそ余計に、それができない自分はおかしいのだと自分を責めるように気分が転換していたんだと思います。
結局その彼とは別れました。私が自分のことを正しく把握してなかったせいで、彼にまで迷惑をかけてしまって本当に申し訳なかったです。
そのあと私はネットで色々と性的指向について調べ始めました。そして、初めてノンセクシャルという言葉と出会いました。
私は漠然とした不安感からようやく解放されたような気がしました。私は自分のことをずっとおかしいと思っていたから。
LGBTQに関して、性別の名前を増やしすぎだと思う人もいるかもしれません。マイノリティのためにマジョリティが苦労する必要はないと思う人もいると思います。
それでも私は、自分の性的指向に名前がついたことに心の底から安心しました。自分と同じように考える人がいると知れただけで、自分を受け入れることができました。
自分が今まで手に入れてきた恋愛観にとらわれる必要はないのだとネットを通じて知ることができました。
長々と書きましたが、私はノンセクシャルという自分の性的指向を知って少し気持ちが楽になった、そういう話です。
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