2020-06-16

ジンクス傍観者論理

ジンクス傍観者論理」は、一般にはまだ知られていないけれど、私の中で有名な格言ひとつ

ジンクスとなる事象自体は、「カツ丼」と「勝つ」を掛けるような言葉遊びなど、考えてみれば勝負に直接繋がらない非論理的なものばかりだが、

一方でそのジンクス形成される過程には、ちゃんとした「論理」がある。

そしてそれは、その勝負に直接関わることの無い「傍観者」が生み出す論理なのだ

その意味では、非論理であるはずのジンクスは、まさに論理的に形成されたものなのだ

その過程を以下で明らかにしたい。

まず、当たり前のことだが、勝負というものには、その勝負に関わる「当事者」と、

その周りに多数の「傍観者」が居ることに注意する。

スポーツではプレイヤーサポーターたち、受験では受験生とその親、といったケースがわかりやすいだろう。

そして、傍観者あくま傍観者である

勝負だんだんと近づくにつれ、傍観者当事者と同様、来るべき勝負に対してだんだん真剣になるわけだが、勝負にあたってあることに気づく。

すなわち、傍観者はいくら当事者のことを想っていても、その勝負に直接介在できないことに気づき、苦しむのだ。

まあ、端から見れば至極当たり前のことなんだが、真剣になるほど自分勝負に乗った気分になってしまうというのは、

サポーターを見ても、受験生の親を見ても、その興奮した様子を見るに十分有り得る事例だろう。

から傍観者はいつか、その当事者とのギャップに苦しむことになるのだ。

それでも、傍観者傍観者として勝負に関わろうとしてしまう。

先の例で言えば、サポータープレイヤープレイスタイルに、親は受験生の勉強方法に、あれこれ口を出してしまう。

しかし、傍観者はその勝負のことを当事者ほどよく知らない。

なので、傍観者は十分なアドバイスができず、それは大きく的外れにもなる(アドバイス罪!)。

そのため、先に挙げた傍観者の苦しみは、その勝負に直接関わるアドバイスをすることでは一切解決しない。

どう考えても、当事者の方がその知見は豊富なため、傍観者アドバイスは役立ちも感謝さえもされないからだ。

それゆえ、傍観者アドバイスはその勝負本体とは全く異なるフィールドに持ち込まれることになる。

ジンクス」というのは、まさにこの場面で発生する。

すなわち、勝負本体とは全く異なるフィールドで、勝負コミットするようなアドバイスを目指すのが、「ジンクス」の在り方なのである

そもそも勝負本体フィールドが異なる以上、そのアドバイス勝負に真に必要ものではあり得ない。

から、「カツ丼で勝つ」みたいなダジャレでっち上げたり、

「落ちる」「滑る」という言葉を避けて受験に滑らないようにする、みたいなくだらない言葉遊びに頼るしかない。

それが「ジンクス」と呼ばれているものの在り方なのだ

以上をまとめれば、「ジンクス」は、傍観者当事者に何もしてあげられない苦しみから言葉遊びなりに頼ることで生まれてきたものだと言える。

からこそ、その苦しみを解消しようとする心の働きとして、「ジンクス」というもの傍観者にとってまさに「論理的」なのである

言葉遊びに頼ることで、傍観者の苦しみは論理的に昇華されるのである

さらに、勝負当事者も「ジンクス」による恩恵を得ることができる。

それは、その迷信しかないとわかっている「ジンクス」に従っておくことで、傍観者の親切心を満足させて、

代わりに、傍観者からの余計なアドバイスプレイスタイルだの勉強方法だの)を一切聞かなくて済むからだ。

まり傍観者の余計な心配を「ジンクス」という無駄な方向に向けておくことで、当事者は肝心の勝負に雑音無く集中することができる。

それこそ、お遊びでしかない「ジンクス」が、勝負真剣に取り組まなくてはいけない当事者に好まれる本当の理由であろう。

から、その「ジンクス」の中身が非論理的かどうかの議論などは全く的外れなのだ

そんなことは当事者が一番よく知っている。

論理性など心の底からどうでもよく、傍観者の親切心に対するデコイとして発現すれば、「ジンクス」の機能として十分なのである

その点では、これまた、当事者にとっても「ジンクス」に従うことは論理的なのであり、

ジンクス」という傍観者論理は、こうしてめでたく、当事者の役立つものになれた。

傍観者を敬して遠ざける、という皮肉によって。

まあ逆に言えば、この傍観者当事者との共犯関係こそ、言葉遊びしかない「ジンクス」を今の時代ものさばらせている理由とも言えよう。

  • 私の中では有名 が気になって二行目以降読む気が起きない

  • 他人のアドバイス聞きたくないからゲン担ぎに乗っかっておくわ!とか ゲン担ぎ聞いといたらうざいアドバイス聞かなくてよくなってラッキー! みたいな人見たことない

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