俺は創〇3世だ。
「学会さえやっていれば幸せになれる。学会をやらなきゃ地獄に落ちる。」と小さい頃から親に言われ続けていた。
両親の言うことに何の疑問も持たず、小・中学生の時は友達や恋人を会合に連れて行き、お経の唱え方を指導したりした。
それからは、自宅にピンク色のスーツを着たパンチパーマの男が父を訪ねてきたり、巻き舌の男から電話がかかるようになり、居留守をしてるだろうと怒鳴られたりもした。
父親は「バブルで破滅した人あるある」に漏れず、ヤバい先物取引業者にハマっており、あちこちから借金もしていた。
辛い記憶のせいか前後がイマイチ覚えていないが、その人に俺が呼び出されたから、父親が逃げた後のことだったんだろう。
支払った記憶もないし、どう切り抜けたかは全く覚えてないけど。
言葉通り、俺にとって天と地がひっくり返るようなショックだった。
だって生まれた頃から、両親はもちろん祖母や親族も全員「学会さえやっていれば幸せになれる。学会をやらなきゃ地獄に落ちる。」と言っていたからだ。
今思えばそれは、何の経験も持たない子供の俺にとって「親」というキーワードが「ご本尊様」に置き換わっていただけだったと思うけど。
それからの俺は、他人に自分に足りないものを見つけては落ち込む日々を過ごしている。
“学会さえやってりゃいい”という世界で生きてきた俺にとって、普通に生きていくための哲学がなさ過ぎたのだった。
30代までは世間知らずさや若さの勢いや体力で、何とかごまかして生きてこれた。
そうやってごまかしながら生きることで、俺は学会を失った事件にずっと向き合わなかった。
10代の頃に崩れた世界を作り直さず、ただただ不信感と怒りに溢れた感情の中で、友人や恋人からの愛情もすべて裏切ってしまった。
40代になりごまかしが利かなくなってくると、こうした歪みが浮き彫りになってきた。
常に役に立たないといけないという強迫観念に悩まされ、何者にもなれない自分が怖い。
結果、今は一人ぼっちで手元には何も残っていない。
そろそろ終わりが近づいているように感じている。
カルト元信者のオフ会やらグループの記事を見かけ、同じような悩みを抱える人達に聞いてほしいと思っていたが、ネットで探しても見つからなかったのでここに書き捨てる。
暗い話をして悪かったな。南~無~