2019-08-04

アスペルガーはどうやって人とコミュニケーションをとるか

私は小学6年のときアスペルガー症候群と診断された。

以来、自分普通の人ではないというコンプレックスを心に抱え、できる限り発達障害でない人と同じように振る舞えるよう日々努力を続けてきた。

それから十数年が経ち、今はIT系エンジニアとして働いているが、周りの人たちからは「コミュ力のある人」扱いをされるまでにコミュニケーション能力が発達してきた。

ということで、なんとなく意欲が湧いてきたので自分がどのようにして人とコミュニケーションを取るかをつらつら書いてみたいと思う。

なお、主語が若干大きくなってしまったが、ここに書いてあることはあくまでも私自身の話なので、アスペルガーの人全体の話として一般化できるものではないと思っているので注意してもらいたい(同じだなーとか思ったらブコメくれると嬉しいかも)。

コミュニケーションパターン分析する。

まず前提として、アスペルガー他人の心が読めないのかと言われれば、べつにそうではない。

相手の思っていることが直感的に理解できないのである

相手言動から直感的に感情理解につながるのではなく、相手言動キャッチから理解の間に必ずロジカル分析が入る。

このロジカル分析というのは、今までの経験で蓄積してきた"人の気持ちパターン"みたいなコレクションがたくさんあって、その中から「あーこういうことを言うってことは多分こう思ってるんだよなー」とか「こういう仕草をするってことはこう思ってるんだよなー」と分析するような作業のことをいう。

これを私はほぼ一瞬で行っている。だけど、あんまり遭遇しないパターンだと、なかなかその分析がうまく行かずコミュ力が低下する(明後日な返答してしまったりとか、なんかキョドったりする)。

それは、学校が変わったり、職場が変わったりなど、新しい環境になった時によく起こる。なので、新しい環境になると常に思考をフル回転させなければならず、めちゃくちゃ疲れる。超苦手。

"人の気持ちパターン"を集める

じゃあ"人の気持ちパターン"はどうやって集めるのか。

とにかく分析に次ぐ分析である

この分析には数パターンあるため、順に説明していきたいと思う。

反省会

人とコミュニケーションをとっていると、「あーやってしまったな...」とか「もっとうまくできたな」と思うことがよくある。

そういうときに、一人で反省会を開き、どういうコミュニケーションをとれば正解だったのかを分析する。

自分の中である程度答えが出たら、次に同じようなシチュエーションになったとき実践してみて、もしうまく行ったらコレクション行きだ。だめだったらもう一回反省会を開く。この繰り返し。

コミュ力モンスター分析する

自分の周りにはコミュ力モンスターと呼べる人が何人かいる。面白くて、誰からも好かれ、すぐに誰とでも仲良くなってしまモンスターだ。そしてなにより、信頼されている。

そういった人たちの「コミュニケーションインプットからコミュニケーションアウトプット」をパターンとして分類する。

そして、その中から自分でできそうなことをさら抽出して、実践してみる。

もしだめだったら、反省会を開く。

人に聞く

親しい仲の人たちとのコミュニケーションであれば、「なんかやっちまったかな」って思ったら素直に聞いてみる。

そうすると、わりと正直な感想が返ってくるので参考になる。

反省会」と「コミュ力モンスター分析」は主観なので、人の客観的意見を聞くことで自分認識他人認識のズレを小さくしていくことも重要だと思っている。

でもやっぱり限界がある

以上のことをずっと小学生の頃から繰り返しやってきて、ようやく人とまともにコミュニケーションを取れるようになってきたと思う。

昔よりずっと信頼されるようになったし、公私ともに「コミュ力高いやつ」という扱いをされることが増えてきた。(自分のいる環境IT界隈でコミュ力低めな人が比較的多めというのもあるかもしれないが)

でもやっぱり、限界があるなと思う。

アスペルガーは人の心が直感的に理解できないので、そもそも自分がなにかやらかしたとしても「やらかした」と思わないことがあるのだ。

やらかしたと思えなければ、分析をすることもない。

あと、ローコンテクストコミュニケーションはやっぱりめちゃくちゃ苦手だ。いわゆるノリでコミュニケーションするやつ。どう返していいか全然からない。反省会を開いても答えが見つからない。

ここが私の限界なのかなーと最近思っている。ノリでコミュニケーションできたら楽しいだろうにね。

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